【死者の囁き ~アドリアン・イングリッシュ2~/ジョシュ・ラニヨン】「壮大な馴れ初め編」の次は「壮大な自覚編」でした。

海外翻訳のBL本「アドリアン・イングリッシュ」の二冊目を読み終わりました!!

一冊目が「これって誰とアドリアンはくっつくの?!」的な壮大な馴れ初め話(しかも本命の対抗馬は犯罪者)だったので、二冊目はどうなるのかなと気になっていたんですが、二冊目を読み始めてすぐに思ったのが、これ。

馴れ初めの次は自覚編かぁ……。確かに順番としては正しい。

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男を好きだと思いたくない男がここまで愛おしく見えるとは……。

一冊目では正直いってシリーズを通してアドリアンのお相手になる男だと知らなければ嫌味のある刑事という認識になりそうだったジェイクですが、二冊目になっていろいろ掘り下げられることになります。

分かりやすくジェイクに関する感想を書くと、「アメリカ産の海外翻訳BLで「俺は女が好きなんだ」と言って男への性欲を否定するゲイ(しかも主人公の相手)を見る日が来るとは思わなかった」ですね。

……いや、本当にそんな日が来るとは思いませんでしたよ??

海外翻訳なのでゲイや同性愛に関することはむしろ日本よりもオープンに書かれていると思い込んでいたのも理由の一つですが、ジェイクがアドリアンに「お前の家系がお前の代で終わる」というシーンがあったりするのが、このシリーズの奥深さだと思います。

日本よりもゲイに対する理解が進んでいる(はず)のアメリカのBL本で、この発言ですもん。これをこのシリーズの軸になる男に言わせるのがジェイクの闇の深さですよ。

そりゃあおいそれと、アドリアンへの愛を認められないのも頷けます。

といいますか愛を認められないからこそ、ジェイク・リオーダンという人間の味わいが出てくるんでしょうね……。

主人公のアドリアンは親も知ってるゲイ(いわゆる私が想像しているアメリカにいるオープンなゲイ)で、ジェイクは親や知り合いにも隠していて夜を共にしている女性もいる(この設定もすごいな! って思うんですけど)のが、このシリーズの見どころなんだと思います。

お互い惹かれあってるのに分かりあえない部分があって、それでもお互いに相手を想い合っていて、でもジェイクはゲイを認めていないからアドリアンを愛していることもなかなか認めない……と、かなり複雑なわけですよ。

これでジェイクが「俺はゲイだ!」って大っぴらにすれば話はスムーズなんだろうけど、隠しているからこその葛藤や、これまで女性が好きだと偽ってきたからこそアドリアンを抱けないという事情が、話をややこしくしながらも面白さを上乗せしていってます。

いやいや、こんなジェイクみたいなキャラを海外翻訳本で見る日が来るとは思わなかったから!

アドリアンとそういうことしたいけど拒絶反応が起こるジェイク(ちゃんと二冊目の中盤辺りでゴールインしてますけど)って、本人にとっては物凄く深刻なのは分かるんですけど、かわいいんですよね……。

ジェイクは女性と付き合ってるし、その点ではアドリアンを裏切ってるはずなのに、行動の端々からアドリアンを大切にしている雰囲気が漂ってくるわけでして。

「女性と付き合いつつも主人公のことを愛してる。でも自分をゲイだと認めない」って書くと、なにその最低な男! ってなるのにそれがチャームポイントのように感じられる人物って凄いです。(そして今回のゲスト出演だろうゲイの男の子にきちんと嫉妬してるのを読むと、にやにやしたくなる)

アドリアンの元彼「メル」が登場です!

そして一冊目で話にだけ登場したアドリアンの元彼「メル」が登場です。

二冊目で数ページだけの登場なんですけど、これジェイクの今後の行動次第ではアドリアンの前に再登場して一波乱あるんだろうなぁ……。

言葉のところどころからアドリアンに対しての未練というか気遣いみたいなのを感じるわけで、アドリアンやジェイクとどんなふうに関わってくるのか楽しみです。

一冊目は「壮大な馴れ初め編」といえると思うんですが、そういう考えでいくと二冊目は「壮大な自覚編」でしたね。

ここまで大きな事件が起きないと自覚できないふたりって……。

平穏な中だとアドリアンもジェイクもお互いに好きだけどどこまで好きか気づいていなくて、今回みたいに拳銃で撃たれたり(ジェイクが)、頭を殴られたり(アドリアンが)して、相手の身に危機が迫ってようやく「俺はあいつのことが好きだったんだ」って自覚する展開が丁寧に書かれています。

読んでいて「遅いよ!」とツッコミを入れたくもなるんですけど、ジェイクは自分がゲイだと認めたくないゲイだし、アドリアンはもうちょっと早く気づいてもよかったんでは? と思うけど、お互いに相手の存在の大切さに気付くきっかけが必要だったわけですね……。

というわけで今回でお互いにお互いが好きだと気づいたなら、後はまっしぐらに幸せに……なってほしいんですけど、まだ二冊目で、このアドリアン・イングリッシュって全5冊なので後3冊あるんですけど……。

このままハッピーエンドは無理なのかな。アドリアンの元彼もでてきたわけですし、一筋縄ではいかなさそうですね。

アドリアン・イングリッシュの感想記事はこちら!

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