【女子高生探偵シャーロット・ホームズの帰還 〈消えた八月〉事件 下】ワトソンに出会えたホームズだけが破滅から逃げられる……?

上巻でワトソンが誘拐されて、「ワトソンが!!! 誘拐!!!!!」となって終わったわけですが、下巻を読み終わりました。

……怒涛の展開というか、ミステリーって「謎は読者のみなさんにも解けるようにしておきましたよ!」っていうのと「事件に翻弄されてください!(つまり謎を解かせる気は一切ありません!)」いうのとの2パターンがあると思うんですけど、この<消えた八月>事件については完全に後者ですね。

最後まで読み終わって、「はぁ?!」となってました。

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オーガストォォォォォォォ!!!!!

前回颯爽と現れてワトソンの心を振り回してきたシャーロットの初恋の相手、オーガストですが。
そりゃあシャーロットの初恋の相手だし、でもモリアーティの血筋だし……これからもいろいろとワトソンを振り回してくれるんだろうなと思っていたら、今回で死亡確定。

思わず、「………………、え?」となってました。

いくらなんでも、死ぬの……早すぎないですかね??

しかも死んだ理由がマイロの勘違いとか!!! 

いや、その勘違いを引き起こす伏線として「オーガストは兄のヘイドリアンに似ている」という描写が確かにあったけど!!

それだけ自信たっぷりのマイロがオーガストの一番上の兄貴で前回のシャーロット・ホームズの黒幕だったルシアンの追跡を失敗してショックを受けていたってことなんだろうけど!!! 

もっと登場すると思ってた!!!というか、シャーロット・ホームズって主要メンバーが死亡する話じゃないと勝手に思ってたので(ラノベ的なかわいい表紙とかワトソンとシャーロットの恋愛事情とかが隠れ蓑になっててすっかり忘れてた)、今回のハードな内容に「そ、そっか……。まあ、シャーロックホームズの子孫の話だし?」と震えてました。

どちらが正義か分からない。いっそどっちも悪なのでは?

この「シャーロット・ホームズ」はシャーロックホームズの子孫の話で、登場する人物も誰かの子孫なので、ホームズ一族を悪く書いていても「まあ子孫の話だし」で終わるんですけど、今回の話の真相が作中で語られた時に思ったことは、「ホームズとモリアーティってあんまり変わらないんじゃないだろうか?」でした。

作中でもワトソンが何度か「シャーロットとオーガストは合わせ鏡」みたいなことをいってますし、オーガストも「彼女の幼少期は自分のそれに似ている」っていってますし……、話の全体からいうと今回ホームズ家(主にヒロインのシャーロット)がやったいろいろな悪行を考えると、いっそ分かりやすい悪事を働いている分モリアーティのほうがマシなんでは? と思うことがあります。

ホームズ家を正義として考えるのは、かなり無理があります……。

その中でレアンダーとオーガストだけがまともな一般的な感覚を持ち合わせていてふたりがいればもしかすると和解も?? てな展開もあったけど、今回オーガストのほうが死んで(しかも殺したのがマイロだから!)、話はまた混沌としたところに逆戻りになるわけでして。

でもそのモリアーティの唯一の良心扱いのオーガストにしてもワトソンをシャーロットから引きはがして無事に実家に帰らせるため(昔にシャーロットの策略で戸籍上死ぬ羽目になった自分の二の舞を踏ませないために?)に誘拐したりしてるので、この話の登場人物達……、みんな一筋縄じゃいきませんね。

もしかするとホームズとワトソンの関係が裏テーマなのかな??

そして今回、第二作目にしてワトソンとシャーロットの恋愛に進展が!!!!

いやこのふたりって互いに互いの事が大事過ぎて空回りしてる感じがするんですけど、ワトソンが一人称の時は「シャーロット冷たいな……」ってなるし、シャーロットの一人称は「シャーロット! その気持ち!! ワトソンに教えてやってくれ!!」と思います。

思い合ってるのに言葉にしないできない、若いって素晴らしい!! 的なふたりですね……。

なにこのツンデレカップル。

ツンデレ過ぎてワトソンの一人称だと時々「え。シャーロット、何考えるの?」と読者まで振り回されてるんですけど……。

将来ロンドンに小さな探偵事務所を持ちたいとか、まんまシャーロックホームズですし。

でも今回のホームズ家の暴走とレアンダーやシャーロットの事を考えると、ホームズの中でもワトソンと出会えてワトソンと絆を結べた人間だけ致命的な破滅から免れている気がしてならないです。

そう考えるとオーガストがワトソンの身の安全を考えて誘拐までして警告したのって、ワトソンへの同情とかそういうのもあるけど、ワトソンがいればシャーロットは大丈夫って言う確信があったからなんでしょうかね。

で、シャーロットのお父さんであるアリステアにはワトソンがいなかったから彼は破滅するしかなかったのかな。

最初の頃は「まあワトソンだし?」ぐらいの感覚もあったんですけど、ここにきてワトソンの存在とありがたみが急浮上してます。

これって前にレアンダーが言っていた「最近のホームズで恋に落ちたのは私だけ」って言葉にもあてはまると思います。

ワトソンと出会うことで人間味を手に入れて恋に落ちる、ってことなんじゃないでしょうか。

今回シャーロットはかなりえげつないことをしでかしてますけど(まじかー。これ、モリアーティに恨まれてても文句言えないだろ)、そのこともワトソンと一緒に乗り越えていってくれたら、ふたりは真の相棒になれるんだろうな。

前回ルシアンがシャーロットに「きみの大事なものが分かってよかったよ」っていってて、おー。次回はワトソンがいろいろと酷い目に合うのかな?! という感じでしたが、蓋を開ければ酷い目に遭ったのはオーガスト(死にましたからね)とレアンダー(身内に監禁されるって)でしたね……。

シャーロット・ホームズも第三作で完結だそうで、次回がラストなんですけど。

今回のラストにホームズの屋敷の正面にいた人物は(彼呼びだからルシアン?)誰なのか? オーガストが酷い目にあわされたことに対する復讐にもえていたルシアンが、マジでオーガストがホームズによって殺されてしまった今、ワトソンを利用しつつどんな復讐をするのか……、それにシャーロットとワトソンはどうやって立ち向かうのか、今から楽しみです。

これまでのシャーロット・ホームズシリーズの感想記事はこちら!

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