表紙がとにかく格好良かったので、気になって手に取ってみた一冊。
それとどういう勘違いかは分からないけど、なぜか私は「孤島だから、なんか江戸川乱歩関係の作品なのかな?」と勝手に思い込んでました。(多分この本を手に取る前に江戸川乱歩の「悪霊」のことを考えていたため)
という感じで、色々勘違いしつつ、読了。
ホラーとミステリーが入り交じった一冊でした。
ホラー要素(幽霊・オカルト知識・呪われた島)とミステリー要素(殺人事件・名探偵)が入り交じってて、幽霊が実在していると分かっているミステリー小説という感じ?
ただし登場するトリックは基本的にヒントほぼなし(私にはヒントらしきものが見つけられなかった)ので、「ミステリーを読むぞー! 犯人当てるぞー!!」となってたら結構肩透かしを食らうと思う。
五福島で起こった二つの事件(現在進行形で発生してる事件と、30年前に起こった事件)の真相を暴いていくんだけど、そのどっちも決定的なトリックのヒントらしきものは見つからないし、「よっしゃ! これで事件解決だ!」っていう気持ちとはほど遠いんですよね……。
あと、私がめっちゃ勘違いしていただけなんですが、江戸川乱歩は関係なかった。すみません。
作中で真相を語られて、「あ、なるほど?」とはなるけど、「ん? その真相までのヒントってあったっけ……?」ともなるんで、ミステリーを読むからには犯人当てをしたい私としては不完全燃焼感が強い。
30年前の密室トリックの方法が、「建物の扉を移動させられる建物の構造」だったのも、まあ推理はできるんだけど、そういう描写ってあったっけ? ってなるし。(建物内で殺された幽霊達が建物の破壊を妨害する=建物自体に殺人事件のヒントがあるっていうのは、今考えれば分かるんだけど。でもちょっと遠回り過ぎるヒントだと思うし)
殺人の動機も「未来で起こる大量殺人の犯人だから」っていうのは……、加害者が占い師だからアリと言えばアリかもしれないけど、釈然としないんだよなぁー。
未来に起こる大量殺人を防ぐために現在の殺人を行うっていう本末転倒な不可解さと理不尽さがこの話の肝なのかな……?
ホラー面で考えると、「殺された事件の真相が暴かれていない場合、被害者の幽霊達は謎が解かれるのを待っている」って展開は、シンプルに面白かったです。
そりゃあ自分の死が謎のまま犯人も捕まってなくて、自分が死んだ事件の真相が眠る建物が破壊されようとしてたら、妨害したくもなるよ……。
で、ここまで感想を書くと、この本ってミステリー小説じゃないのかもしれない。
私が人に勧めるなら、ミステリーテイストが混じったホラー(というかオカルト?)小説だって説明するかも。(これだったら未来における大量殺人を防ぐための殺人や、ヒントのないトリックとかもまあ理解できるし、ホラーみたいにめっちゃ怖いってわけではないけど、不可思議な事が立て続けに起こるオカルトなので)
とりあえず続き物らしいので、続編はどうするかな。
発売されてから考えようと思います。
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