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読書感想小説

【ネタバレ有】ユビキタス/鈴木光司【初読感想】

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……いや、これ、ホラー小説なのかなぁー……?

まずそこから考えないといけない気がする。
中盤までは確かにホラー感があったんだよね。
南極の氷に含まれているバクテリアの正体とか、次々死んでいく(あるいは過去に死んでいたと判明する)人達とか、植物が人類に敵対している構図っていうのは面白かったし、幽霊やお化けの類いではないけど怖くはあった。

でも、終盤からなんか様相が変わっていって、ホラーというよりはむしろSF。

植物が実は意志を持っていて人類を殺そうとしているという、圧倒的な力に押し潰される恐怖を描いていたと思ったら、急に平行世界とか小宇宙とかの話になって、「え?えええ、いきなりどうしたの。何があったの?」と読んでいるこっちが困惑する。
しかもこのSFチックな説明が長くて難しくて理解できないので、ますます訳が分からなくなって読み飛ばしてしまったわけでして、あのSFチックな語りがこの話にどんな感じで必要だったのかがまったく分からない。

読み終わってから考えると、人間の努力ではどうしようもない領域に存在する「何か」を匂わせて、人間個人の無力感を表現しようとしたのかな……? とも思うんだけど、それにしたっていきなりのSF的説明だったんですよね。すみません、困惑が強い。

一応この作品、かの有名な「リング」の作者さんの久し振りの新作と謳って発売されてるので、その触れ込みだと、内容はリングみたいなオカルトホラーものだと思うわけで。
なのに読み終わると、ホラーというよりはSF、人類の進化とか宇宙理論とかで締めくくられて、ホラーから想像する読了感とはほぼほぼ無縁っていうのは、肩透かしと感じても仕方ないんじゃないだろうか。

最初からホラーSFとして読んでたらもっと楽しめたような気がするけど、読み終わってからだと後の祭りだしなぁー……。
再読するか? って考えると、あのSF説明が面倒くさいので(小難しくて理解できる気がしない)、ひとまずはこのままでいいかなと思う。

というわけで、「ユビキタス/鈴木光司」の感想でした。
いや、この本、本当にホラーSFのジャンルがいいと思います。SFだって事を言っておいた方が、私みたいに終盤のSF的説明でつまずく人が減ると思うんで。

それでは、次の一冊でまた!

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