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読書感想小説

【ネタバレ有】へびつかい座の見えない夜/砂村 かいり【初読感想】

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人の生きづらさってなんなのかなぁー……、と考えたくなる本。

短編集が5本収録されていて、それぞれに人生に生きづらさを抱えている(抱えていそうな)人が出てきて、それを読んでいくと、こう、なんとも言えない複雑な気持ちになる。

誤解がないように言うと、不快ってわけじゃない。
不快というよりは、登場人物達の生きづらさを目の当たりにして、自分の中にある生きづらさにふと気づいて、「……思えば私もこういう事を思っていた時期があったなぁー」と思い返すような、読みながら自分の心の中を確認していくような本だった。

なので、爽快感とか、すっきり感とか、そういうのはないんだよね……。

すごく説明が難しい。
こう、一言で表現できる言葉を私が持ち合わせていない。

ないというか、そういうのを求めて読む本ではないんだろうなと思う。
作中の登場人物達が抱えてる生きづらさへの共感なのかな?
そしてその生きづらさを抱えた登場人物達が少しでも前へと歩いて行こうとする様子への、エール?
自分を含め、何かを変えようとする時には当然痛みがあって、でも変わらずにいようとすることにも痛みがあって、「あぁ、人生ってままならないよなぁー」って苦笑いしたくなるようなもの?

この本の中には、それこそ「あ。こいつ無理だわ」って思う人もいて(たとえば、“トカゲのいる闇”の主人公の旦那さんとか)、その旦那から自立していく主人公の強さを応援したくなったりするし。
逆に変われるチャンスで踏みとどまってしまう主人公もいる。

私が普段読んでいるエンタメ色が強い作品の雰囲気はないし。
ホラーやミステリーでもないし。
かといって、私が一番読まない恋愛小説……というわけでもないから、この本がどういう本なのかを私が定義するのはすごく難しい。
つまらなかったわけではないんだよなぁー。
ただすっごく、感想文にする上で、どう書いたらいいのか分からない。

というわけで、「へびつかい座の見えない夜/砂村かいり」の感想でした。
普段読まないジャンルの本を読むのも、案外面白いかも……。

それでは、次の一冊でまた!

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