どうも。
というわけで、赤い月、廃駅の上に(有栖川有栖)の感想です。
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「駅(電車)」にちなんだ短編集。
計10作品がなにかしら「駅」に関係する物語になっていて、特にそれぞれの話が関わりを持っているわけでもなく、さくっと読める。
短編集をあまり読まない(ましてや感想文を書くことなんてない)私はこの本を読みながら、「短編集ってどんな風に感想を書けばいいんだろう……?」となってたんですが、読み終わってみると「駅って存在をひとつテーマにしても、こんなにも話があるんだなぁー」と感動中。
始まりとしての駅。
終わりとしての駅。
見知らぬ場所へ運んでくれる駅。
余所から自分のいる場所へ運んでくれる駅。
途中下車……、などなど。
駅だけでもこんなに色んなテーマで話ができあがるのが凄い。
そしてこの本に関しては「掲載されている話は全部「駅(電車)」にまつわるもの」なので、話のどこかしらに駅か電車が出てくるんだけど、それが思わぬトリックみたいになってるのも好き。
特に好きなのが、p112ページから始まる“海原にて”なんですが。
この話、駅や電車がテーマな短編小説にしては舞台が海だし、船が出てくるし、海にまつわる怪談を話し始めるので「あれ。駅や電車の話は出てこない……?」と不思議になっていたら、最後の最後で思わぬ展開が待ってるという奴なんですよね……。
というわけで、ごちそう様でした。
では、また。
このページで紹介した本
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