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読書感想小説

【ネタバレ有】虚実妖怪百物語/京極夏彦【初読感想】

この記事は約19分で読めます。

「クトゥルフと加藤保憲が出てくる!」とtwitterで聞いて、興味ががぜん沸いたので手にとってみた本。
京極さんの本は学生時代に読んだ「姑獲鳥の夏」以来なんですが、めっちゃ分厚いのは知ってますよ。だから覚悟してましたよ。

でもすごかった。

全3巻、各400ページずつ。

今まで分厚くても300ページ前後の本を読んできた身としては、「ぶ、分厚いな……! しかも三冊!!」となってたわけですが、読み終わりました!(これを読み切ったからには、新世界よりの分厚さにも挑めるような気がしますね……)

超スペタクルエンタメ。

エンタメですね。これ。
エンタメ以外になんて言おう。
色々と難しい話や文献やらがたくさん出てくるんですが、それらを考えていくと最終的に「すっげぇ面白いエンタメ小説を読んだわぁー」という感想になりました。

すごく面白かったです。

触れ込み通り、クトゥルフも出てくれば帝都物語の加藤保憲も出てくる。
そしてこのふたりだけじゃなくて、終盤にはガメラやら貞子やら鬼太郎やら……、名前を並べていくと、「え。なんでこのキャラが出てくるの?!」ってなりそうなキャラがたくさん登場してくる。

まあここを大々的に言うには、このキャラがたくさん出てくるシーンって終盤も終盤なので、「え。まだ?」ってなりそうなんですけど、でもこの本のめっちゃ面白いポイントはこのジャンルを超えたキャラ達の客演なので、やっぱめっちゃ語りたいー。

もう大乱闘というか、大進撃というか。
キャラの名前が分かればわかるほど、「そ、そのキャラもいるの?!」となるんで、知識が多ければ多いほど楽しめる本になっています。(いやいや京極夏彦の作品を読んでて、鬼灯様とかニャンコ先生の名前が出てくるなんて思わないじゃん? めっちゃサプライズですよ、これ)

あれか、日本人のエンタメ力をなめんなって話か、これ……。
この本のタイトルって「虚実妖怪百物語」だもんなぁー。

とにかく終盤は約束された面白さなので、終盤の思わず笑い出したくなる爽快感と荒唐無稽ぶりを堪能するために前2巻があると思う。

特に1巻目がね……、読みにくいんだわ。
この本達、序破急とナンバリングされている通り、1冊目は序にあたるんで、物語が動き出す前振り状態なんだけど、それがなんか読みづらい。

そして、正直そんなに読んでいて楽しくない。
よく分からないけど読むペースが落ちて、「いやいや、これ京極夏彦さんの本よ? 面白いに決まってるやん? まだ三巻目の一巻目よ? 諦めるの早くね?」と自分に言い聞かせながら読んでたけど、一巻目で結構「馬鹿」だの「死ね」だのという言葉が飛び交うので、多分1巻だけ入手してたらそこで読むのを辞めてました。

でも二巻目も手元にあるし一応読むかぁーと開いてみたら、面白い。
で、三巻目を読み始めたらもっと面白い。

総括するなら、この本達はめっちゃ面白い。

最高のエンタメ。

振り返ってみると内容的に正直よく分かっていない部分もあるし、最後まるく収まった理由も曖昧なんだけど、最後のどことなくしんみりとしつつも楽しげな祭りの余韻が素敵でした。

色々考えたんだけど、結局、物語の中の日本に余裕や馬鹿が消えていった結果、石が発動したんだけど、石が発動した時にどういう偶然か加藤保憲を呼び出してしまったから、加藤が物語のセオリーとして日本を滅ぼしにかかったっていう事なのかな……? そして最後に水木先生が石を「丸い輪」といったことで、丸い輪=日の出→百鬼夜行は日の出と共に消滅するので、この物語は終わりってなったとか?

半分以上はクトゥルフと加藤保憲に踊らされて読み切ったけど、面白かったー。
ごちそう様でした!

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