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1月読了読書感想小説

【ネタバレ有】赤虫村の怪談/大島清昭【初読感想】

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この本、読みたかったんだよなぁー。

というわけで、クトゥルフ神話が大好きな人間として、twitterで「クトゥルフ神話をモチーフにした作品があるよ!」と言われて手に取った一冊。
呻木叫子シリーズの二作品目だったので、ひとまず一作品目を読んで……、と前準備をしつつ、ようやく読む事ができました!

いやぁー、面白かった!!!

最初からクトゥルフ神話を題材にした作品だというのは知ってたし、それを目的に読み始めたんですけど、中味が思っていた以上にクトゥルフ……、というか骨の髄まで、ありとあらゆるところにクトゥルフ神話要素が入り込んでいて、読み進めるたびにワクワクが止まらないのが素敵すぎる。

息を吸うように、クトゥルフ神話の神々がいる。
どのぐらいクトゥルフ神話が盛り込まれてるのかな……? って思ってたけど、まさかここまでとは……。

大島清昭さんの著作の特徴として、色んなところからの伝承や土着信仰の話が出てくるんですが、今回はその実在する(してると思うんだけど)伝承や土着信仰のなかに、しれっとクトゥルフ神話の神々が入り混んできてるのが面白い。

クトゥルフ神話は言うまでもなく創作の神話体系なのに、「え? 私達、最初から日本の土着信仰の中にいましたけど?? 何言ってんですか??」っていう素知らぬ顔で語られるのがいい。

私はクトゥルフ神話を知ってるので(クトゥルフ神話TRPGとか大好物だし)、神々の名前が明記されるたびに「この神様も出るのかよ!」って笑い飛ばしながら読んでいたけど、これ、クトゥルフ神話を知らない人が読んだらふつうに「そういう土着信仰が日本のどこかにあるんだ……?」って思いかねない浸透ぶり。
嘘と本当の混じり合い方が絶妙で、最後まで楽しむ読ませていただきました。
こんな風に架空の神話と実在する伝承や文献を混ぜて本物っぽくみせるの、この作者さんすげぇなぁー。

……まあ、クトゥルフ神話に全振りした結果なのかもしれないけど、今回のトリックは大味というか大雑把というか、「えぇ……、そんなトリックでいいの……?」って感じだったので、ミステリーを楽しみたい人にはあんまりオススメできない。

めっちゃ素知らぬ顔で日本の土着信仰に居座ってるクトゥルフ神話の神々を笑いながら読みたい私みたいな人間には、ぴったりの作品です。

でもこの作者さんのお出しになるミステリーって薄味だったり大味だったりするし(そして読んでる側への情報提供が分かりにくいので、読んでいて犯人を当てるのが憶測になりがち)、ミステリーとホラーの融合を楽しむ作者だと思ってるので、今回の話の大味具合もいつもの事といえばそうかも……?

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