当サイトではアフィリエイト広告を利用して商品を紹介しています
読書感想小説

【ネタバレ有】骨を喰む真珠/北沢陶【初読感想】

この記事は約10分で読めます。

前回の「をんごく」がすっごく私好みだったので、その勢いで手に取った一冊。
とにかく前回が良すぎたのと、前作が処女作だったので「二作品目はどんな感じになるんだろう。すっごく楽しみ!!」と、かなり期待値が高い作品でした。

まあ、それが多分、いけなかった。

なんというか、思ってた以上に何も残らなかった。
前回の作品の「読み進めれば読み進めるほど引き込まれて面白い」という感覚もなく、ぐいぐいと話に引っ張られていく感じもなく、読む分にはまったく困らないけど、ただ読めるのと読んで何かを感じる部分は違う。
つまらないわけでもないし、面白くないわけでもないけど、何か違う。

この奇妙な感覚を抱いたまま最後まで読み切って、最終的に読みながらつけている感想ノートを開いて確認してみても、んー? 終盤のグロ要素以外は特段心に残るシーンはなかったような……? という印象。

この話の敵といえる礼以さんが露悪的過ぎる割にあっさり死ぬんで、肩透かしを食らったとか。
そもそもこの話の主人公達は女性なので、感情移入しにくかったとか。

なにも心に残らずに読み終わってしまった理由は色々とあるんだと思うんですが、これは私とこの本の相性が悪すぎたんだろうな……。

「をんごく」が面白すぎたので、それに近いものを期待していたのもあるかもしれないけど。
あとやっぱり、「をんごく」が良すぎた。
めっちゃ良すぎた。
無自覚に「をんごく」以上のものを求めた結果の肩透かしだったと思う。

ただこの作者さんの文章の美しさと映像を見せる巧さは相変わらずで、終盤の人魚の解体シーンのグロテスクさと敵が食い殺されるシーンの描写の異様に生々しい美しさは凄かったです。

あんなに凄惨なシーンなのに、気持ち悪さよりも幻想的というか美しさを感じてしまったのは、この作者さんの書き方の凄さなんだろうなぁ。

(というかそういえばこの作者さん、「をんごく」の時も人を丸呑みにして食らうシーンを書いてたから、こういうグロ要素があるシーンを書くのが好きな作家さんなのかもしれん……)

うん。すっごく残念なのですが。
私にこの本に選ばれなかったみたいです。

というわけで、「骨を喰む真珠/北沢陶」の感想でした。

今回が合わなかっただけで、次はきっと楽しめると思うので。
次作を楽しみにしています!

このページで紹介した本

コメント

タイトルとURLをコピーしました