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読書感想小説

【ネタバレ有】恋に至る病/斜線堂有紀【初読感想】

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そこに愛はあるんか? って言葉がまず浮かぶ。

愛かぁー……、愛。あったのかな。
私はこの本を読んでて最後の最後までがっつりとヒロインの寄河景に騙されていたし、最後の最後に入見刑事が種明かししてくれた時に、「うわぁ……、景ちゃん、がっつり主人公に罪を背負わせる気だったのかよ……」となったし、でもラストの消しゴムを見てまた混乱してしまった人間なので、この本に関して「果たして愛はあったのか?」っていう疑問については、「もうあったってことでいいんでは……?」と思います。

きっと、ふたりの間に愛はあったんだよ。
なんかそれでいいんじゃないかな。

まあだとすると入見刑事が言っていた「寄河景は主人公に罪をなすりつけようとしていた可能性」がひっかかるんですけど、これもまあ……、主人公が自分を裏切らないようにするための措置だったのかな? と思っておくことにします。

終盤で景ちゃんが主人公に「ずっと一緒にいて」(うろ覚え)みたいなことを言ってたけど、あれが景ちゃんの本心だったんだよ。
100人以上の人間を死に追いやれるサイコパスだけど、殺すことは簡単にできるけど、好きな人にずっと一緒にいてもらうにはどうしたらいいのかは分からない。
色々手を講じて今までずっと側にいてもらったけど、これからもずっと一緒にいてくれるとは限らない。むしろ自分のやっていることのせいで離れていく可能性もある。

だったらいっそ、犯人に仕立てあげられるようにしておけばいいのでは……? ってなったんじゃないかな。と。

主人公にその気はまったくなかったっぽいけど(むしろ自分から罪を背負いにいった気配まであるんだが)、景ちゃんからすると「いいの? 私を裏切って。私を裏切ったらこの大量殺人を君がしたことにするけど、構わないんだよね??」って脅すための伏線だったのかな、と。

離れたら罪を押しつけるよ。だからずっと側にいて。

……もしマジでそうだったなら、寄河景って子は人の愛し方が分からないなりに人を愛した子だったんだろうか……。(まあここまでは私の単なる妄想で、実のところはただただ主人公に罪を押しつけようとした可能性もあるんですけどね。どっちにもとれるのが、この話の面白いところだと思うので)

というわけで、「恋に至る病/斜線堂有紀」の感想でした。
なんというか、破滅するしかないって意味では同じ作者さんの死体埋め部と似たような空気を感じるんですが、死体埋め部のほうはまだメインの登場人物ふたりが一緒に奈落の底に落ちていく生存エンドがあるけど、こっちのふたりには二人揃っての生存エンドはなさそうなんですよね……。

どっちかが死んで、どっちかが生き残る。
まさしく「病」のように、命を奪っていく。……そういう感じなのかな?

それでは、次の一冊でまた!

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