twitterで話題になっている本を読んでみようシリーズ。
というわけで、野崎まどさんの本も初見だし、この作品自体よく分からないままに、「とりあえず読んでみるか……?」ぐらいの気持ちで手に取ってみた一冊。
なんというか……、この本に対してどんな感想を抱けばいいのかよく分からない。
あらかじめ断っておくと、つまらなかったわけじゃないんですよ。
面白かったし、楽しかった。
なので私が言語化できる範囲で書いていくんだけど。
面白かったかどうかで考えると、面白い話だった。
ただ話が難解すぎるので、読み終わった状態でこの本のことを考えても、「んー……。よく分からないなぁー」って気持ちになる。
面白いという感情は、作品を完全に理解していないと思う気持ちと同居できるようで。
ネガティブな感情ではないけど、率直に「よく分からない」。
面白いけど、よく分からない。
最初は将来作家になる男の子と、その側で読者として支えていく男の子の友情物?(妬みとか嫉妬もありそう??)ぐらいの気持ちで読み進めて行ったんだけど、中盤にがらりと景色が変わるわけでして。
現代ものから一気にファンタジーになって、ファンタジーからゆっくりと現代に戻ってくるけどまだふわふわしていて、そして話が終わる。
この現代からファンタジー、ファンタジーから現代への行き交いの不可思議さに面食らいながらののめり込んで、なんか最後は「あぁー…………(よくわからねぇけど、面白い本を読んだ気がするなぁー)」って気持ちになる一冊なんですよねぇ……。
どう説明すれば?
ジャンル的には純文学っていうのかな?(いや正直純文学って読んだことないので、定義が分からないんだけど。でもこのジャンルに当てはめる行為はこの本に対して無粋なんでは? とも思わなくない。なんか綺麗にはまる型がないような気がするから)
まあ、なんというか、よく分からないけど面白かった。
不可解だけど面白かった。
本の内容を理解することが読書の醍醐味なら、まったくその醍醐味を果たしていないと思うんだけど、でもこの本自体がこういう「よく分からないけど面白かった」を肯定してくれる本だとも思うので、それでいいかなと思う。
まあぶっちゃけると。
この本におけるテーマのひとつ(だと私は思っている)である「ただ本を読むだけじゃ駄目なのか?」に対して、私はこの本を読む前から「いいに決まってるんでは?」と思っているので、この本の主人公である内海君が抱いている本に対する感情がいまいち分かっていない部分があって、その分かっていない部分がイコールでこの本に対する「よく分からないけど面白かった」っていう感想に繋がってるんじゃないかなとも思う。
コメント