というわけで、そして誰もいなくなるのか(小松立人)の感想です。
#読了#読書好きと繋がりたい
— ハルノ@10/13 (@huhahaha_zikaki) September 30, 2024
そして誰もいなくなるのか(小松立人)
ミステリー初心者入門?
分かりやすい伏線とどこにヒントがあるのか丁寧に書いてるので、他のミステリーを読む時の参考になりそう。ただキャラにあんまり愛着は湧かない。全体的に台詞が長くて説明文っぽいせいかな……?? pic.twitter.com/GF5sjQuFBA
タイトルからお察しのとおり、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」をモチーフしたミステリー。
話の中で展開されるミステリーは、初心者向けなのかとても分かりやすくて(その上で登場人物達が丁寧に毎回推理してくれるので、矛盾に気づきやすいのもポイント)、「これ、多分伏線だな」「なるほど、だったら犯人はこの人か……」ってなるので、易しいミステリーを探している人向けだと思う。
誰にも迷惑をかけない空き巣事件(と本人達が評してる)で2000万を手に入れた四人の男が10年後にお金を掘り起こそうとした矢先に地震に巻き込まれて死んだものの、死神のいろんな事情により最後の一週間をやりなおすというもの。
しかも一週間後には必ず死ぬというおまけつき。
ようするに、500万の大金と寿命のタイムリミットがあれば、貴方はなにをしますか? ってこと。
これだけ聞くと「これって、ヒューマンドラマかな?」って思うけど、そんなこともなく、過去の因縁や唯一寿命を伸ばせる方法をめぐってあれこれ起こる。
なので、ミステリーなんですが。
……ひとまず読み終わった感想は、「キャラの台詞が長い!」だったりする。
饒舌。しゃべるキャラは本当によく喋る。
けど、なんというか、中身がない。
「●●を殺したのは××。どうして俺がそう思ったかというと……」というのを、長々と毎回喋っていくので、「な、長い! もう少し端折れない?!」となる。
殺人事件が起こるたびに丁寧に説明してくれてるのは分かるんだけど、ここまでご丁寧に説明してもらわんでも……、という気持ち。
ミステリーってあんまり読んだことないけど、こういうものなのかな……??
私がまともに読んだことのあるミステリーって有栖川有栖の火村シリーズぐらいなので、比べられないんですけど。でもここまで長々とした台詞が続くもんなのかな……。
作中には残された一週間への向き合い方で巻き起こる人間模様もあるけど、それよりも次々に起こる事件の犯人を推測する登場人物たちの台詞が長い。
しかもその台詞に興味をひかれるかといえばそうでもなく、ようは状況説明と推測の積み重ねなので、面白味がない。
台詞が長いなら登場人物達の会話劇が楽しめればいいんだろうけど、そういうのもない。
というか、主人公達に感情移入ができないんだよな……。うん。
主人公達って擁護しようがない犯罪を犯してる時点で、好感度マイナスだし。
その犯罪(空き巣)を行った理由も、「完全犯罪がしたい」「小説のネタになる」「学生時代の思い出」という、いわば学生時代の悪ノリ感覚なので、「……お前らの倫理観どこにいった?」だし。
語り手である主人公についても……、なんというか、「残りの寿命への向き合い方ってそれでいいのかよ……?」となる。(ただこれは私と主人公の価値観の違いだろうし、主人公からすればこれまでの集大成を残したいって気持ちなのだと思う。でもこの主人公、少し自己陶酔入ってないか……? とも読んでて思ったので、そこらへんも感情移入できない原因だったかも)
やってることは悪事だけど登場人物達はめっちゃ魅力的なので面白かった!! っていう話もあるけど(例えば伊坂幸太郎さんの陽気なギャングシリーズとか)、こっちの話は登場人物達にそこまでの魅力はないし(台詞が長くてもキャラがたってれば読んでて面白かったかもなと思うけど)。
というわけで、ごちそう様でした。
では。
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