おおー、実家のような安心感!!
このシリーズに関しては、最初の「弥勒の月」からずっと読んでいるので、これ以外の表現が思い浮かばないんですよね……。
すごく心に馴染むというか。
読み始めた瞬間から、「あー。この空気好きだったよなぁー」と安心する。
シリーズものじゃない本を読むときの、「これってどんな本なんだろ?」とワクワクする感じも好きなんですが、シリーズものにはシリーズものの良さがある。
シリーズものだからこその安定した面白さと、見慣れた登場人物達の魅力。
この空気感が好きだからずっと読んでるんだよっていう感覚がめっちゃ好き。
というわけで、今回も楽しかった。
信次郎は相変わらず剣呑だし。
遠野屋さんも新しい道を歩き出してるし。
かと思えば最後の最後で絡み合って、結局このまますべてがご破算にさえなりそうなひりついた空気感を出すふたりが好き。
まあ確かに今までの積み重ねの面白さがあるから、「この本単体で読むと面白いの?」となると、「い、いやどうだろ……。全巻読んでほしいなぁー」ってなるんだけど(特に信次郎と遠野屋さんの関係はすごく歪なので、この一冊で説明できるもんじゃないし。いや全巻読んでもあのふたりの関係性をうまく表現できる言葉を私は知らないので、それこそ読んだ人それぞれが言葉を当てはめていくしかないのだと思うけど)、でも読んでほしいと思う。
そして今回の最新刊を読んでも、信次郎と遠野屋さんの関係がどこに行き着くのか分からないんだよなぁー。
作者さんがそんな安易な決着をつけるとは思わないし。
かといってなんやかんやでこのままずるずると関係が続いて幕引き、って事にもならないだろうし。(その場合は遠野屋さん逃げ切りENDってことになるのかな。これはこれで見てみたいけど)
遠野屋さんには目に見えて分かるハッピーエンドがあるんだけど、信次郎には果たしてハッピーエンドがあるんだろうか?? と読みながら考えてしまう。
というか、信次郎にハッピーエンドが似合うんだろうか??
というわけで、「春立つ風/あさのあつこ」の感想でした。
新刊が発売されるたびに読んでいるこのシリーズですが、相変わらず面白いんですよねぇ……。
次の発売日はいつなんだろう。楽しみにしています。
では、次の一冊でまた。


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