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読書感想小説

【ネタバレ有】運命の終い/奥田亜希子【初読感想】

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恋愛小説って私の理解の範疇外にあるよな……、っていつも思うんだけど。

それってたぶん、恋愛というものが「理性」でするものではなく、「本能(あるいは感情)」でするものだからなんだと思う。

なので小説にするとどうしても、感情の話になりがち。
理性で恋愛小説を書くと、それはどうしても損得勘定の話になってしまって、読んでいる側が「これって恋愛なん……?」となってしまいそうな気がするし、恋愛小説として成立しないんだろう。
ただ感情で書かれてる本って、その感情を読み手が理解できないと話が進まないので、結果として私が「よ、よく分からねぇー……」ってなっちゃうんだろうなぁー。

というわけで、結果的に、心に何かが残ることもない本でした。

悪い意味じゃない。
読みやすい文章だったし、悪い意味での引っかかりもなかったし。
ただ、いい意味での引っかかりもなかったんだよなぁ……。

主人公の彩香のように、若い頃に年の差結婚して子どもを産んで旦那と死別して、世間一般で言うところの“女の幸せ”を若いうちから全部手に入れて、まだまだ若い(30代)なのに人生の余生を過ごしている人はいるだろうし。
その彩香が求める「大人の恋愛」もなんとなく想像できる。

若い頃は猪突猛進に人を愛せるし、全部を振り払えるけど、大人になればなるほど制限やしがらみが増えていて、それらを無視して恋愛に生きれるほど無謀にもなれない。
ここで描かれている「大人の恋愛」は成熟した関係というよりは、大人になると失いたくないものが増えちゃうよねっていう感じの、傷つかない恋愛なのだと思う。

率直にそういう恋愛って、恋愛要素をのぞけばようするに「気軽に話せる友達がほしかった」って事なんじゃないの? って思うんだけど(特に彩香は若い頃に年の差結婚をしたので友人がほとんどいないみたいだし、旦那も子どももいない人生に彩りをくれる他人がほしかったんじゃないかなと)、でもここでは「大人の恋愛」なんだよな。

私にはよく分からない。

恋愛小説自体が苦手っていうのもあるんだけど、今回のは読み終わった後も「あ。終わったか」ぐらいの軽い読了感だったし。
彩香とお相手の大地君の最後も、そこまで気にならなかった。
ふたりが最終的に結婚まで辿り着いたとしても、そういうものだと受け止めただろうし、作中のように破局を迎えても、「あぁ……、なるほど?」と他人事の感覚だったので、ひとまず、この本の中に私の感情を預けられるような私に近い登場人物がいなかったんだろうな。

恋愛小説……、難しいなぁー……。

というわけで、「運命の終い/奥田亜希子」の感想でした。
恋愛小説を読むのが得意な人が読んだらどんな感想になるのか、知りたいかも。

それでは、次の一冊でまた!

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