この作者さんの本はいろいろと読んでいるので。
その延長線上で読んだ本。
まず、この本ってどういう立ち位置なんだろ。
めっちゃ怖い幽霊や呪いが出てくるわけじゃない。
かといって、代々伝わる呪いがあるわけでもない。
ホラー小説だけど、怖い方向の本じゃない。
思うのは、「あなたは知らないだけで、田舎には得体のしれないものがまだ存在してるんですよ」という短編集。
その得体のしれないものが、人の頭から生まれてきたり。
あるいは河童や妖怪?みたいなものとして認知されていたり。
得体のしれないものは、人間と共存していたり。
共存していたと思っていたら、いきなりこっちを殺そうとしてきたり。
内容的には、言い伝えとか伝承とか、そこら辺のホラー小説なんですが、怖くはない。
読んでいて、「うわぁ!!怖い!」という感覚はない。
むしろあるのは気持ち悪さというか、得体のしれない感覚。
得体がしれないっていうのが、一番この本を読み終わった感覚に近いかも。
得体のしれないものや現象に巻き込まれていく登場人物たちが、徐々に自分たちもその得体のしれないものに飲み込まれていく。
壊れていく平和のような?
でもこの短編集の登場人物たちって、ほとんどの人がそこそこ平穏じゃないので、「じゃあ、得体のしれないものに遭遇しなければ、この人たちは平和だったんですか?」と聞かれると、それも迷うんだけど。
得体のしれないものを生む姉を見たり。子猿の死骸を食べたり。指を切り落としたり……。
そういう、「普通の人間ならありえないよね」ってことが当たり前に起こって、語られて、それに順応していく人の話?
お勧めするかしないかでいうと、迷う。
つまらないわけじゃない。
かといって、めっちゃ前のめりに面白いってわけでもない。
でもこの不条理感は……、癖になるかもしれない。
この本って、感想を書くのが難しいんですよね……。
そもそも短編の感想って書きにくいよね?からはじまって、この説明の難しさ。
ホラー小説っていうと、「怖いほうがいいな!」って私は思うんですが、怖くはありません。(私の感覚だけど)
ただ、不条理な感じや、得体のしれないものとかかわる感覚は楽しめるかも?
というわけで、「或る集落の●/矢樹純」の感想でした。
それでは、次の一冊でまた!
花邑がオススメする、次の一冊!
⇒こっちは得体がしれないものっていうよりは、妖怪やその他の者たちが残す物語です。
⇒ブログ主が思っている「小説の中で一番怖い話」です。
⇒このページで紹介してる作者さんの本で、私が最初に読んだ本です。結構定番と王道のホラー小説です。
