どうも。
とにかく表紙のインパクトが絶大で、「な、なんか面白そうだな……?!」となった本。
表紙から読み取れる情報が「バトロワものなのか……?」ぐらいなんだけど、思っていた以上に面白かったです。
あとタイトルにネタバレ有と書いてますが、この本はマジで事前知識なしにそれこそ「バトロワもの?」ぐらいの感覚で読むのが面白いと思うので、気になる人は先に読んでほしい。
盛大に広げられて、綺麗に折りたたまれた風呂敷のような一冊。
いやぁー、デスゲームっていったら「富裕層の娯楽として殺し合いを中継してる」とか「国の政策で殺し合いをさせてる」とか「そもそもよく分からない異世界からの侵略」とか、色々あるわけですが、それって話が壮大すぎるというか、なんというか。
荒唐無稽であることがデスゲームの醍醐味のひとつだとは思うけど、その一方でラストはすっきりと綺麗に終わっているほうが満足できるんだよなぁー……、とちょっと思っていました。
その点でいうと、今回のデスゲームは突飛もないものなのは確かだけど、案外すっきりと頭の中に入ってくる設定だったので、大満足。
多重人格者の人格統合のために脳内デスゲームを開催って、誰が思いつくんだろう。(この作者さんは思いついたわけだが、すごいな……)
脳内なので、参加者を調達する必要がないし。
もちろん死体処理の手順も必要ないし。
ゲームをするための大きな会場もいらないし。
とにかくめっちゃ、合理的。
考えれば考えるほど、この世界観ってデスゲーム向きだよな……。
薄ぼんやりと感じている「デスゲームってわりと資金面とか効率面を考えると、割に合わないよな……? 本当に金持ちの悪趣味な娯楽以外に開催される必要性ってなに……?」をいい感じに解決してくれる設定だった。
まあ、この脳内デスゲームの真相が分かるのは、本当に最後の最後なので。
それまでは普通にデスゲームが繰り広げられるし、バトロワを思い起こさせる血飛沫の雨、飛ぶ首、首、首……、リズムよくテンポよく死んでいく「石井」達。
虐殺される様がテンポよく書かれてるので、展開の血生臭さをそんなに感じずに読み進められる。
タイトル通り、死んだ石井の大群。
とにかく人が死んでいく。
え、こんなに石井達を集めたのに数ページでどんどん殺していくの?? ってレベルで、どんどん石井達が死んでいく。
なのでまあ、普通のデスゲームっぽいんですよね……。
第三のゲームぐらいまでは、「んー? 普通のデスゲームもの?? つまらない……??」と思いながら読んでたんだけど、「ん? この人が主催者?」って人物の情報が出てくるあたりから面白くなってくる。
(まあ脳内デスゲームなので、いわば登場人物達全員が主催者であり参加者なわけなんですが、そこら辺も考えてみると面白い……)
あんまりデスゲームをテーマにした本を読んでいないんですが、(きちんと読んだ事があるのはバトロワぐらいで、後はなんとなく知識としてあるぐらい)やっぱりデスゲームの終幕が綺麗に折りたたまれているのが素敵だと思う。
胸くそ系じゃなく、納得できる形で。
そして少し希望を見いだせる形。
私はこの終わり方好きだなぁー……。
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