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リターン/五十嵐貴久|最後の足音は誰?めっちゃ気になる終わり方やん!【ネタバレ感想】

この記事は約4分で読めます。

というわけで、五十嵐貴久作・「リターン」読了です。

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前回の「リカ」について、「火遊びをしようとした男がじわじわとヤバイ女に追い詰められていくけど、まあ自業自得だよな……」って思っていたら、語られる後日談。四肢損壊にプラスして眼球摘出に鼻と耳が削がれて舌もないって、それはもうバイオレンスなんよ……、ホラー小説は読みたいけどスプラッタはいけるのか。

といいつつ、描写自体はそこまでエグいスプラッタ要素は少ない(ラストに少しだけあったけど)ので、スプラッタ苦手な私でも読めるんだよなぁ。面白いし。

で、今回はそんな前作主人公が遺体で発見されるところから始まるリカシリーズの二作目。

前回は色々と「あ、こいつ(主人公)、感情移入できない」だったんですが、今回は感情移入できないなりに面白かった。

というか警察官の女性ふたりが他の警察官たちと一緒にリカを追いかけていく話なので、分かりやすく異常犯罪者を追いつめていく(そして追い詰められてもいく)刑事小説として面白かった。

こう考えると、前作の主人公の行動がどれだけ自分の中で受け入れられないものだったかが分かってくるなぁー……。よっぽど前回の主人公の”妻子がいるのに出会い系サイトを入り浸る男”が気に入らなかったんだな、私。

前回散々「感情移入」といってたんですが。
それって前回の主人公は自業自得でリカを引き寄せてしまってるし、周囲の人間はそれに巻き込まれていくし、リカは化け物として描かれているしで、「自分の中で腑に落ちる(この人目線で話を読み進めていける)人物がいなかった」んだと思います。
その点でいうと、今回は「警官(職業として犯罪者を追いかける人)」が主人公なので、すごく読みやすかったんだと思う。

警察って犯罪者を捕まえるのが仕事なわけで。
まあ当然リカを捕まえるのも仕事なわけだから、前回主人公の「妻子がいるのに出会い系サイトに入り浸ってヤバイ女を引き当ててしまった自業自得感」がないのが、めっちゃ読みやすい。

で。
……、この話の終わりだと、確実にリカは死んでると思うんだけど……??

最後のリカとの死闘で、もうリカはでてこないだろうなぁ!(さすがに銃弾12発受けて、なおかつそのうちの6発を顔面で受けてたら顔なんて原型とどめてないだろうし、それで生きてたら一応「リカは超人ではあるが生きてる人間である」が崩れるんよ……)と思うんですが、私の手元には三冊目があるんで、このシリーズまだ続くんだよな……。

この恐ろしい不気味な真実よ。

これがシリーズが完結した後からシリーズを読み始める面白さなんですが、こう、残りのシリーズの本数が「あれ……?? リカ、死んだんだよね…………??」となる不気味さ。
あの状態で死んでないはずがないし。
でも死んでたら残りの本数で描かれる話はなに? という薄気味悪さ。
この楽しみ方は邪道だろうなとも思うんですが、でもこの、「物語的にはハッピーエンドで終わっただろうに、絶対に後日談があるのが怖い」感覚……、いいですね!

今回の話のラストにおける尚美と菅原のシーンが、うっすらとリカと前作主人公の様子に重なって見えるので、尚美さん……あなたまさかリカになったりしないよな……?(シリーズ化するにあたってリカが中身の人間ではなく、狂気にとらわれた人間の総称とかになってたら、最後の尚美さんの独白がリカへの第一歩なんですがね?!)もしくは足音が聞こえた扉の向こう側にリカがいるか…………、いや、どっちにしても怖いな?!

もう完結した小説の醍醐味でこれから3巻目を読むんですぐに答えは得られそうなんですけど、ワクワクしてます。

こういう訳の分からない怖さがいいんだよ……。
ごちそうさまでした。

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