というわけで、五十嵐貴久さんの「リカ」読みました。
#読了
— ハルノラッカ (@huhahaha_zikaki) August 20, 2024
するする読めたけど最後に恐怖が残るわけでも爽快感があるわけでもなく、読み終わった!って気持ちも残らず……主人公が酷い目に合う理由が不倫なので感情移入もなく、リカの掘り下げも表面的なものでほぼないのでそっちへの感情移入もできず、心に残るものがなくて続きを読むか迷う。 pic.twitter.com/O4g1jTtXF0
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リカシリーズの最終巻である「リボーン」が面白いと評判だったので手に取ってみたら、「読むならシリーズの最初である”リカ”から読んでね★」とのことだったので、作者さんのご意見に従って、リカから読み始めることに。
順風満帆な日常にどこか飽きていたサラリーマンの男が日常に支障がない程度の火遊びとして出会い系サイトをはじめ、リカというヤバイ女性に出会うという話……、なんですが。
なんというか、感情移入できない。
感情移入できる対象がいない。
いや、そもそもこの話って感情移入して読む本じゃない可能性もあるけど……。無意識に自分が感情移入できる登場人物を探した結果、「え。この話に出てくる登場人物って、なんか感情移入できない人が多いんだけど?!」となった可能性。
まず主人公に関しては「妻子がいるのに出会い系サイトで火遊びする男。独自ルールをもうけていて、それを逸脱しなければ大丈夫みたいな振る舞いをしているが、ようは浮気男。ところどころで独りよがりな保身に走る」なので、主人公が酷いに目にあっても「まあ、いままでの行いがな……」になるし。
常に保身に走ってるからリカに対しても強行策にでれず、なんやかんやで「こいつがそもそも妻子がいる身で出会い系をしなければ被害に合わなかったんでは?」という結論になるので、感情移入できない。
では今回のホラー要素であるリカはというと、行動力がヤバイ超ハイスペ女ということしか分からないので、そもそも感情移入するほどの要素がない。
というかリカへの感情移入は、クリーチャー系の映画に登場するクリーチャーに感情移入できるか? みたいなものなので、(そりゃあ感情移入できる人もいるだろうけど)私には無理だったという話。
メインのふたりが軒並み、「あ。この人ら、感情移入できない……」なので、気持ち的に物語の傍観者の立ち位置で物語を読んでいくんだけど、まあなんていうか。
やっぱどんどん追い詰められてく主人公を気の毒に思えないので、なんか淡々と読み進めてしまう。
私が思うに、この話のホラー要素って男が本来自分よりも弱い(見くびっている)女にじりじりと追い詰められて、自分が築いている地位や名誉、家族を失う恐怖だと思うんだけど。
その恐怖のきっかけが、「あー……、でもこいつ、奥さんとかわいい娘さんがいるのに出会い系サイトに入り浸る男だしなぁ」なので、心のどこかにいつもちらつく“自業自得”感。
で、話のところどころに「警察に相談する?」っていう選択肢がでてくるけど(まあリカの本質からいうと警察に相談したところでどうにもならなかっただろうけど)、家族にばれたくないから警察を頼らない展開。
……いや、やっぱこの話って感情移入前提で読む話じゃないよね。むしろ自分の行動によって大事なものをじわじわと奪われていく男の末路を楽しむ本だよね……??(そう思うのは私が女性だからかもしれないけど。男性なら主人公の感情にも納得できる部分があるのかな??)
とりあえず読み終わったので、二冊目いきます。ごちそうさまでした。
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