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リハーサル/五十嵐貴久|リカの解像度はあがったけど、相容れないわーって思うんだが。【ネタバレ感想】

この記事は約3分で読めます。

というわけで、ぼちぼち読んでいるリカシリーズの4作目“リハーサル”の感想です。

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一作品目の”リカ”が本番だとすると、まさしくタイトル通り「リハーサル」。
なぜリカが本間を切り刻んだのか、生かしておいたのか……、そのあたりのことがわかってくるんで、「おおー、リカって案外合理的な女だよな。やってることはやべぇんだけど」となるのが面白い。

超自己中だけど合理的なんだよな……。

人間の「ああー、××したいなぁ。でも世間的に駄目だよな」っていう感覚で縛られているのを取っ払ったらこういう感じになるんでは……? という感じ。

自分の邪魔をするから、自分と相性の悪い人間をどんどん殺していくし。
好きな人に気に入られたいから、その好きな人が気に入っている女の顔になろうとするし。
女の顔になるのに自分ひとりの力じゃ無理だから弱み握れそうな人を脅すし。
最後に主人公を刺した先生を殺すところも、「愛する人を殺した男に復讐する私」だし。

やってる事は超絶自己中なんですが、自己中を通り越した合理主義者……、というかロマンチストが願ったことを引き寄せようとした結果、超ヤバイ最速RTA走者(ただし周囲の人間の感情はのぞく)になった感じ。

……血まみれの引き寄せの法則、的なのか??

そして今回読んでて思ったのが。

四冊目にしてリカの解像度(超自己中の合理主義者。ただし体力・頭脳ともに恵まれてるので大抵のことはできる)が爆上がりなのすごい。

いや……、4冊もシリーズが出てるのに今までリカの内面が分かりづらかったのがどうなのよって話ではあるかもしれないけど……。

夢見る乙女。ロマンチスト。
そのロマンをどんな手段を用いても自分で手に入れようとする女。
単純に見えて常識では計れないので、やっぱり“やべぇ女”。

一冊目の時はただのやべぇハイスペ女だったし。
二冊目は主人公たちが追いかける化け物扱いで、そこまで深掘りされてなかったし。
三冊目にして「あー……、そりゃあ歪むわ……」となる生い立ちだお出しされて。
今回の四冊目にしてようやく、「なるほど、リカってこういう女なのか」とわかってくる仕様なの、解像度があがってるんだけど、あんまり喜べる気がしない……。

化け物と言えば化け物なんだけど、このリカの“少女”部分がな……、やべぇな。

例えるなら、「貴方には様々なことを思いのままにできる才能があります。その才能の前にはすべての人間は無力です。さて、貴方は何を望みますか?」なんだよな。
その時に自分だけの願いを口にするか、他人を含めた願いにするかは人それぞれだけど、リカの場合は絶対に自分中心の願いしか言わない。そしてそれが当たり前。
だから自分の願いを達成するのに人を殺す罪悪感はない。

……まあ、そんな感じでリカへの理解は深まる4冊目だったんだけど、「相容れんわー……」って感情も顕著なので、このやべぇ女のやべぇ生態を遠くから流れているのが一番なんだよな……。

で、ここまで感想を書いて思ったんですが。
このリカシリーズ、回を重ねるほどに面白くなっていくのすごい。
主人公の行動が気に入らなくて1冊目は苦手なんですが、そこから加速度的に面白くなってると思う。楽しい。

というわけで、ごちそう様でした!

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