twitterで「この本ってゲ謎好きな人に刺さりそう」というツイートを見て、「おおぉー。私、ゲ謎好きだわ。どんな内容なんだろ?」と気になって手に取ってみた一冊。
すっげぇ、よかったです。
いやなんていうか。
読み終わった後の「あー、よかった! 面白かった! いい本だった!!!」っていう気持ちはあるんだけど、うまく言語化できないこの悔しさ……。言葉にした瞬間に、「あれ? 私のいいたい事ってこういうのやっけ?」となりそうな不安があって、とくにもかくにも「すっげぇよかった」と言いたい気持ち。
なので、私も「この本ってゲ謎好きな人に刺さりそう」と言いたい。なんとなく話の雰囲気的に、蟲師が好きな人にも刺さりそうな気がする。
というわけで、うまく言語化できるかは分からないけど、書きたい事を書いていくと。
独特の言い回し(方言?とか)があるけど、読みやすい。
キャラ一人一人がめっちゃ魅力的。
展開がすっごくいい。
あと私が大好きな大正時代の話である。
本を構成する全部の小さな要素ひとつひとつのクオリティが高くて、読み終わると、なんかめっちゃグサッと心に刺さったシーンはあんまり、「なんかめっちゃいい本読んだな……」って気持ちになる。
特に終盤の「奥さん(倭子)があんた(壮一郎)を殺しに来るよ」って言葉までの展開がいい。
奥さんの想いはあくまでも善寄りなんだけど、色々あって捻れて拗れて歪んでしまって、愛している壮一郎を殺しに来るという矛盾。この矛盾の残酷さが、矛盾だけどこれまでの話の流れは矛盾なく綺麗で切なくて、すごく心に染み入ってくるように感じられる。
怖いというより切ない。怖いというより悲しい。
そしてその奥さんの感情が分かると同時に、壮一郎の感情も「あー……、分かる。めっちゃ分かる。そうだよなぁー……、分かるわぁー……」ってなる。奥さんに会いたい気持ち、奥さんを守りたい気持ち、奥さんに対する思いの数々。
で、その壮一郎と倭子さんを取り巻く登場人物達もいい。
私は最初、最終的に壮一郎が死を乗り越えてエリマキの顔に倭子さんを見出してハッピーエンドなのかな? と思ってたんだけど、そんなことはなく、もっと最高の終わり方だった。(エリマキめっちゃいい奴やん……、となった)
まあ、なんていうか。すっごくいい本だった。
こういうのをまとめて言語かすると、空気感が好きってなるのかもしれない。
空気感が好きな本はめっちゃ貴重。ありがたい。
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