最近ずっと読んでいる呻木叫子シリーズの第三作品目!
当初の目的だと、「とりあえず、二作品目の赤虫村の怪談を読めればいいかな?」と思ってたんだけど、どうせなら全部読もうかなぁーとなって読了しました。
一作品目と同じで、それぞれの短編が最後にひとつに繋がっていく話。
ただ一作品目とは違って、帯とかに“全部の話が最後で繋がります”的な説明がなかったので、最初はひとつひとつが独立した話だと思ってました。
なので、正直1話目と3話目は微妙だった。
1話目の「バラバラ屋敷の怪談」は正直、トリックを見破るヒントらしき物がほとんどない。(読み終わった後で考えると、一応冒頭で主人公の妻が幼馴染みで小学校が同じみたいな説明があるだけで、そこから妻が犯人って分かるのかよ……と)
3話目の「魔所」は、なんかトリックが大雑把すぎない……?
2話目の「青いワンピースの怪談」はミステリーというよりホラーに振った話だったから楽しく読めた。
青いワンピースの女の子が一目惚れした男を次々と自殺に追い込んでいく様子は、想像すると怖いけどどこか幻想的な印象があるんですよねぇー。
廃墟に置かれた猫足のバスタブとか、なんか絵になるといいますか。
思えばこの作者さん、他の本の時も感じたけど、ミステリーのトリックは大抵薄味か大味で、「え? このトリックにヒントってあった?」ってことが多いんだよな……。
でも、そのミステリーの大雑把さがいい感じにホラー感と混ざり合ってて、読んでいたら「お、おもしれぇー!!」ってなるんだよなぁ。
なので今回も1話と3話は微妙だったんですが、各話で消化不良だった部分を最後の4話で回収してくれたのが素敵。
一話完結だと思って読んでると消化不良だったけど、全部繋がっている話だとすると、なかなか闇深くてホラーチックで面白い。
ただ一つ気になったのが。
4話に出てきた呻木さんは一作品目で行方不明になった後の呻木さんなのか、それとも行方不明になる前なのか。どっちかによって、ホラー味が変わってくるので気になる。
コメント