作者さんがツイートで「助手の事がめっちゃ好きな探偵」と言っていたので、気になって手に取ってみた一冊。
思えばこの作者さんの本自体はじめて読むし、本も単行本ではあるけど、どっちかというとラノベっぽいし、さくさくと読めました。
そして、探偵、本当に助手のことが大好きだな……。
ビッグラブがすごい。
こういうのをクソでか感情っていうのかも知れない。
定義としては「友情」なんだけど、もし二人が異性同士なら「お前らもう結婚しちまえよ!」と囃し立てたくなるぐらいにはラブラブ。
でもこう、同性だから純粋に相手のことを尊敬できて友情を感じられて、ふいな格好いい姿にドキドキできるっていうのもあるかもしれない。
異性同士じゃなんか難しい同性同士のラブラブした感じ。
というか人の感情には興味があるけど人との関係には疎い探偵を助手であるごく普通(?)のアニオタである主人公が引っ張っていくのもいいし、普段は主人公と一緒に「一般的な友人同士の付き合い方」を楽しんでいる探偵が、いざ事件となればその推理力を発揮するのもいい。
つまり、このふたりの関係性が良い。
この本、これに尽きるんでは……??
凸凹コンビとも言えるし、最高に相性が良いコンビとも言えるし、このふたりの何気ない会話から滲み出る特別感がいいんだよなぁー。
物語的にはこのふたりの何気ない日常にちょっとミステリーを絡ませたような感じなので、ド派手な演出もなければ、立ち向かうべき巨悪も存在しないんだけど(まあ人は死ぬんで完全に平和な世界とはいかないんですが)、事件のインパクトというよりも主人公達の友情に重きを置いてる雰囲気がよかったです。
といいつつ、ロッククライミングを交えた事件は真相が分かった時に、「え。まじか」ってなった。
ロッククライミングで壁を登ってたけどその途中で足を踏み外して落下、自殺を疑われるって、思いつきそうで思いつかない展開だよなぁー……。
というわけで、「学園の魔王様と村人Aの事件簿/織守きょうや」の感想でした。
読み終わった時に、「いや。これ絶対に続編があるだろ」って思ってたんだけど、今のところないらしい。
続編読みたいなぁー。大学生になったふたりとか、どっちかに恋人ができたふたりとか見てみたいなぁー。
すごく面白かったです。ごちそう様でした!
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