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ミステリー読書感想小説

【ネタバレ有】アンダーウォール/神津凛子【初読感想】

この記事は約12分で読めます。

この本、とにかく読み進めるごとに印象が変わって。

最初は帯を見て、「うわぁーーー。バトロワなのかな? 私、バトロワ好き!!」からはじまり。
中程まできても、まったく殺し合いがはじまらない現状、そしてなんかコロナみたいな感染症や、人間ドラマの話になって、「ん?? 思ってたのと違う??」となって。
終盤で主要人物がどんどん死んでいって、「人が死ぬ!死ぬけど。死んじゃうけど!!え、このキャラも死んだ?!」となって。

そしてラストまで読み終わって、「帯は……、うん。まあ、サイコホラーではあった……」と呆然とする。

という感じです。
読みながらこんなにコロコロと印象が変わる本も珍しいかも。(主に帯のせい)
この落差がいい。

いや、中程までのコロナみたいな展開を読んでるときは、「ほほーー。ようするにあの当時の鬱屈とした世界観を出したいんだな、作者は!なるほど!!でもそれってバトロワじゃないじゃん!」となったんですよね。
なので、なんか帯が失敗してるコロナを描いてる小説だと信じて疑わなかった。

人間模様が、かなり末期。
それもコロナっぽかった。

で、そこからどんどん、「あいつ。やべぇー奴じゃん」となっていて。
ラストには、「死んだ人たちって??」となるのから、このゾゾゾーーー感が素敵です。

(ラストで一気に8年後まで飛んじゃうので、そこで現実と地続きのように錯覚していた舞台装置が解除されて、「あ。これって、コロナと全然関係ないんだ?!」となるのも良き。急に「これ、コロナの話だと思ってました?残念!違いますよ!!」っていういい感じの肩透かし感がいい)

個人的には、「このキャラは生きててくれー。ハッピーエンドになってくれーーーー」と思うキャラ(主に勇人)が死んだのでびっくりしたんですが。
でもあのラストの感じだと、むしろ状況を理解把握できてるキャラが生きてると、このラストの気持ち悪さは出てこないだろうなと思う。

ラスボスの独壇場。
でも、最後まで読まないと、誰がラスボスなのか分からない。
いや、分かるには分かるんだけど。
この分かるって感情に気持ち悪さがつきまとうのは、ラストまで読み切ってからだと思う。

というか。
ラストの気持ち悪さのためには、この、なんか別のジャンルの皮を被って話を進めていくの、結構有効なのかな……??

なかなかに面白い一冊でした。
帯詐欺だと思いながらイライラして読んだ中盤までも、ラストまで読み終わると、「なるほど。こういう構図だったのか」となるので、いい話(内容的にはサイコホラーなのですが)だと思う。

というわけで、「アンダーウォール/神津凛子」の感想でした。

それでは、次の一冊でまた!

おすすめの三冊はこちら!

⇒コロナと人間の罪を描いた短編小説です。

⇒コロナをテーマにしつつ、コロナ禍でも人間の気持ち悪さならこっちもおすすめ。

⇒同じ作者さんから一冊。サイコホラー的にはこっちも怖い。

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