おおー! 館トリックだ!!!
完全犯罪を遂行させるためだけに、無人島に建てられた洋館。
犯罪がうまくいかなかった場合は、そのまま燃やす計画だったという設定。
大金を手に入れちゃいけない人っているよね……と思いつつ、「殺人を行うためだけの屋敷」という斬新というか、私の中ではあまり見かけない設定にワクワクだったわけです。
ただ、私に本格ミステリーは早かった。
いや、もうこれは私が馬鹿なんですよ。
屋敷内で起こる連続殺人。
犯罪のために用意された隠し通路。
登場人物達の行動と、時間。
誰にアリバイがあって、誰にアリバイがないのか?
犯行現場にいけるのは誰か?
しっかりと読み込んでメモをとれば、ある程度分かると思うんだけど。
そこまでせずに、すいすいとページをめくっていったので、読み進めて行けば行くほど、どんどん展開が分からなくなってくる。
とにかく、情報量が多い。
いや、これが本格ミステリーっていうものなのかな。
こう、情報が怒濤のごとく押し寄せてきて、それらを整理しながら犯人を当てに行くのが本格ミステリーなのかな。
ミステリー小説は今までも色々と読んできたけど、こういう“クローズドサークル”系の小説って読んだことなかったっけ……。
でもとにかく、この小説は私の中で「じょ、情報量が多すぎる!!」となったので(あと、情報量の影響なのか、あんまり好きなキャラが出来なかったのもあるかもしれない)、文字を追いかけるので精一杯。
も、もうちょっと、ちゃんとした読み方があるとは思うんだけど……、難しいな。
終盤の、実はお嬢様とメイドが入れ替わっていたという衝撃展開も、聞かされたときは「え。まじか」ってなったんだけど。
あらためて読み返してみると、めっちゃややこしいんですよね……!!
刑事がメイン視点の文章では、入れ替わった名前で行動してて。
お嬢様(がメイドになっている)メインの視点だと、名前は入れ替わったままで地の文はお嬢様の心の声になってる。
そこに入れ替わったキャラの名前での行動描写も入るから、真相を聞かされた後でもややこしい。
叙述トリックといえば、「最後まで読み終わった後に「実はこういう真相でした」って言われて、もう一回読み返さなくちゃいけないのか!」ってなる時もあるんで、気持ち的に取り扱いが難しいと思ってるから、余計。
こう、読み終わってシュパッと「理解した!!」ってならないのがもどかしい。
(んー。これ、刑事とお嬢様の一人称視点だったら駄目だったのかな。そうするとお嬢様がメイドに扮してるのがすぐにばれるのかな。でも、お嬢様視点がお嬢様のモノローグなのに三人称だからお嬢様がメイドの名前で呼ばれててややこしい(しかも刑事視点と交互に入るから更にややこしさが増える)から、ちょっとなぁ……)
もともと私が叙述トリックが苦手っていうのもあるんだけど。
圧倒的な情報量+ややこしい叙述トリックで、ノックダウンされた感があるミステリー小説でした。
主人公が、昔自分が書いた小説を馬鹿にした相手を殺そうとしたり。
新犯人がなりゆきで人を殺したりしたのは……、うん、ミステリー小説だとあるかもしれない。(新犯人については、まあ、完全にサイコパスってことなんだろうし)
というわけで、「ライアーハウスの殺人/織守 きょうや」の感想でした。
思うに、前回読んだ「花束は毒」(最後のどんでん返しまでの展開が長い、どっちかというと地味めなミステリー小説)もあんまり面白くなかったので、私と織守きょうやさんのミステリー小説は相性が悪いのかもしれない。
それでは、次の一冊でまた!


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