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ミステリー歴史もの読書感想小説

【ネタバレ有】最後の皇帝と謎解きを/犬丸幸平【初読感想】

この記事は約13分で読めます。

最後の皇帝溥儀と主人公一条が織りなすミステリー小説。

最後の皇帝という言葉通り、時代は1920年。
でもいま日付を書きながら思ったけど、このあたりの知識がまったくなくても、全然問題ないんですよね。
何故かというと、歴史的背景で必要なことは全部、小説の中で教えてくれるし。
分からなくても読み進められないほど困るってことはない。

なので、すごく読みやすいミステリー。

書かれている謎自体は、斬新さはあんまりないかも。
でも、この時代のこの場所(最後の皇帝が住んでいる場所)だからこそのトリックが描かれていて、読んでいて「あぁー、なるほど!」となるのがいい。
トリックがちゃんと物語の背景に反映されていて、「この時代だからこういうことがあって、こういうトリックが出来て、だからこのような謎解きができます」ってなってるのが、すごくいいんですよ。

最近私が読んだミステリーに限った話かもしれないけど。
斬新さが先に出ていて、「……で?」となることが多くて(書き手の知識先行で語られるので、なんか書き手の「こんなトリックができるんですよ!」が知識のひけらかし会場になってて、読んでいて楽しくない)、なので、今回のミステリー小説の物語の中にちゃんとトリックが溶け込んでる感じがよかった。

あと、うん。

溥儀と主人公の一条の関係がな……。

これは、後から味わい深くなっていくよね。
物語の中で差し挟まれる溥儀の日記を読むと、一条にどんどん心を許していくのが伝わってきて、このままふたりは友人同士になれるのでは? と思わせてくる。
でも、話の終盤で一条の正体と思惑が分かって、物語で描かれていたふたりの「友情」はどこまで本物だったのかと分からなくなる。

で、ラスト。
たったひとりで牢獄の中から、昔を思い出す溥儀。
こうなってくると読んでる私は、「一条! てめぇー!!!人の心を弄びやがって!」ってなったんだけど、でもこの微妙というか、報われるはずのない歴史上の決定事項の中で揺れ動いてた(かもしれない)一条は、どう考えてたんだろ。

龍と犬の水墨画から「友情」を見出すこともできる(けど、それを見たのは溥儀なので。私は水墨画の描写から、向かい合っていても結局心底わかり合うことはできないと示唆してるような気もする)

このふたり、史実を踏まえると、ハッピーエンドになれる可能性は低いし。
でも、でもなぁー……。
このふたりの、「友情。でも打算あり。最後には別れる」の苦みがなぁ……。一条が最後にどんな形であれ溥儀に会いに行ってくれたらいいんだけど、この小説ではそこまでの描写は書かれていないからなぁー。
会いに行けば、その時点で安易な友情物語になってしまいかねなくて。
だから、このふたりの物語を苦々しく切なく終えた方が味わい深いんだろうけど、でも溥儀が気の毒だから、会いに行ってほしい。一条。(私は友情物語も読んでみたい)

というわけで、「最後の皇帝と謎解きを/犬丸幸平」の感想でした。

それでは、次の一冊でまた!

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