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ミステリー読書感想小説

【ネタバレ有】桜葬/斎堂琴湖【初読感想】

この記事は約12分で読めます。

思うのは、この物語は「踏みとどまれなかった人達の話」なんじゃないかな、ということ。

自分に暴力を振るう母親を殺そうとした主人公の氷室を含め、この事件に関係する人達は、みんなどこかで踏みとどまれなかったんだと思う。
誰かひとりでも踏みとどまっていれば、悲劇の連鎖は起きなかったかもしれない。
でもみんながみんな、それぞれに事情を抱えていて、追い詰められていて、行動に移した。
その結果起こった物語だと思うと、読み終わった私の中で、ようやく折り合いがつけられる。

だってさ……、怖いんだよ。
東郷さんが。
この人が一番怖い。

並木さんと付き合い出した時には、完全に結婚詐欺をする気で。
最終的には自殺して、並木さんに傷を残そうとしたのは分かるんだけど。
その結果として笑顔で駅のホームに飛び降りるって……、私の理解の範疇にはない。
自分の婚約者を殺して、婚約者が持っていた宝くじを奪った(これも心臓移植が必要な娘の手術費用代のためだけど)相手を殺害して、バラバラにする気持ちは……、まあ、ギリ分かる。

私の中で、「これは正当な復讐だよなぁー」って思う。

でも、その相手と婚約者が顔を合わせるきっかけを作った並木さんに結婚詐欺をしかけるのは、私の中ではやり過ぎなんでは? って思うんですよね。
他にも色んな理由が絡み合って、並木さんに復讐する合理的理由が出来てしまったのもあるんだろうけど。
婚約者を直接的に殺した相手以外への復讐になると、一線を越えてる。
復讐っていうのは、自分が満足するためにやることだとは思うんだけど。
でもこの「やり過ぎでは……?」って気持ちが読み終わった後にも続く。

このやり過ぎ感が、私の中で、東郷さんって怖い人なんだなってなる。

読んでる人の中には東郷さんに感情移入する人もいるんだろうなって思う。
単純に私が読んでいるうちに、東郷さんよりも並木さんのほうに感情移入してしまった結果、東郷さんに対して悪感情を抱いてるんですよね。

そう考えると、この本は「踏みとどまれなかった人達の中の、誰に肩入れするか?」って話なのかも?

個人的には終盤で氷室が「どうして刑事にならなかったんだ(意訳)」みたいなことを言うシーンも「いやいや、それ論理の飛躍では?!」ってなったので(自分が警察官に嫌な思いをさせられたから警察官を目指すって、文章に書くとかなり「え?」ってなるしな……。いや、うん)

というわけで、「桜葬/斎堂琴湖」の感想でした。

それでは、次の一冊でまた!

花邑がオススメする、次の一冊!

⇒私がオススメしたい、主人公が警察官のミステリー小説です!

⇒ホラーだけど、ラストにかけてのやるせない感じが好きな人にオススメ!

⇒やるせない気持ちになりたい人にオススメしたい、第二弾!

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