SF小説って、どう読んだらいいのか分からないけど……、面白いよね……。
ということを、薄ぼんやりと思う今作です。
いや、読み終わった時に「面白かったー!」って思ったんだけど、あとの選評を見て「もっと設定を詰めた方が良かった」みたいなことが書かれてて、「こ、これじゃあ、あかんのか……」となったわけでして。
ダイヤモンドを体の中で育てる女だけの部族とか。
地球環境の悪化によって、居住空間が限定されるようになった人類とか。
自分達が生き残るために、命あるものを虐殺できる人間のおぞましさ(これは今の人間にも通じる部分があるのが怖い)や、一族を虐殺されて復讐するユズリの感情とか、色んなものが複雑に入り組んでいて、読んでいて面白かった。
私としては、現代を生きるエリーとユズリ、そして過去の回想として語られるエリーのお母さんであるアサヒの三人の視点で進む物語が好き。
三人で別角度、別の時間の話をしていくから、最後に物語がひとつの線に繋がる瞬間がゾクゾクするし(いや、まさかアサヒがエリーのお母さんだとは思わなかったけど!)、私はエリーの感情が実のところ、あんまり理解できてないんですよね?
エリーはどうして、人類を滅ぼしたんだろう?
ユズリが人類を滅ぼしたい理由は分かるんですよ。だって、家族を殺されてるし。ひとりぼっちにされたわけだし。でもエリーはどうだろ。生まれた時は同族は母親しかいないわけで、自分の正体がばれると殺されるかもしれない危険性はあるけど、人類のそばで育ってきたわけで、父親の愛情も理解している彼女が、“人類を滅ぼす”決断をするのがしっくりこない。
まあ、なんとなくですけど。これ、エリーも結局執行猶予を選んだってことなのかな。
エリー達一族が火星にいくことで、火星の環境は徐々に悪化し、最終的に人類が住めなくなる。でもそれはあくまでもエリー達が存在し続けた場合で、人類が住めなくなる前に誰かが「もう、人類を滅ぼすのはやめました!」って子孫を残すことを辞めれば、人類は生き残れる。
ユズリは確実に人類を滅ぼす側だったけど、エリーは人類に猶予を与えた(もしくは自分の子孫に選択肢を委ねた。決断を先送りにした)とも言えなくはない。
選評では不穏な最後みたいに言われてたけど、私はこの終わり方、好きです。
ただ、SFはよく分かってないです。ごめんなさい。
SFのことをもう少しちゃんと理解していたら、もっと楽しめたのかな。でも、楽しめなくても十分に面白かったので、これはこれでいいと思う。
というわけで、「摂氏千度、五万気圧/関元聡」の感想でした。
それでは、次の一冊でまた!
花邑がオススメする、次の一冊!
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SFといいえばアンドロイド!スタイリッシュなアンドロイドの物語です。
ミノタウロス現象というものに悩まされている(?)人類のお話。


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