う、うわぁー……、感想書くの難しそうだなぁー……。
と、心の中で思った一冊。
全14話の短編集が収録されているわけですが、テーマは多分ない。
帯には“全国の居酒屋からインスパイアされた居酒屋ホラー”と書いてるけど、読んでいくと「あれ? これってホラーかな? ミステリーかな? 世にも不思議な物語かな?」という話がお出しされていく。
なので、一概にホラー小説とも言いがたい。
というか、純粋にホラーっぽいことが起こってる短編のほうが少ないし、どっちかっていうと各地域ごとの特徴というか、空気感が詰め込まれてる。
そして脈絡がない。
短編小説を読んでいると、ついつい「これって最後に話が繋がるのかなぁ」とワクワクしてしまうんですが、それもなく。
登場人物達もバラバラで。
全国各地の話が出てきて。
短い話が14個。
これをなんと表現すればいいんだろう。
色んな味がする一口サイズのお菓子を食べている気分?
あー、このお菓子美味しい。あ、次はこの味かぁ。どれどれ。お、次は変わり種だぁー!! という気持ち。
お菓子のファミリーパック的な。
なのでぶっちゃけ、感想文を書くときの「私はこのキャラに感情移入しました!」とか「このシーンが最高でした!!」という、書きやすい部分がほとんどないわけで。
逆にいうと多分、そういう“読書=なにかを感じなくちゃいけないもの”じゃない読書ができるって部分が魅力かもしれない。
感想文なんて書かなくたって、書けなくなって。
面白い本が面白いし、読んで楽しい本は楽しいんだよ。
……でもまあ、読んだからには感想を書いて記録しておきたいんですよねぇ……。
居酒屋ホラーだし、夜といえば晩酌だし。
晩酌みたいに寝る前にちょっとページを開いて楽しむ本として、ぴったりなんでは……?(私は長編小説読んでても気にせずに寝てるタイプなんですが、世の中には続きが気になって寝れない人もいるので、続きが気にならない短くて面白い本を詰め込んだ本を求めている人には、ちょうどいい感じ?)
ただ、何かを感じて感想文を書くタイプの私には難敵なんですよ……。
それでも読んじゃうのは、ぶっちゃけ恩田陸さんの本が好きだからなんですが!
というわけで、「酒亭/恩田陸」の感想でした。
手軽に読めて後腐れなく、すっきり楽しめる短編小説でした。
個人的に小説を読むときは、心が揺さぶられるものを読みたいなぁと思ってる私との相性は悪いけど、でもさくさく読める短編集もいいと思う。(恥ずかしいのは、私自身がこの手の短編集の良さに気づいてプレゼン出来ない点だ)
それでは、次の一冊でまた!


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