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BL読書感想小説

【ネタバレ有】左近の桜/長野 まゆみ【初読感想】

この記事は約11分で読めます。

長野まゆみさんの長編小説だー!!!

というわけで、長野まゆみさんの長編小説といえば、まじで学生時代に読んでいた小説ぐらいでは?(タイトル忘れた……)ぐらいの感覚なので、ほぼ久し振りとなっております。

まあ正直いうと長編小説(具体的には1冊で話が終わらない作品)って、ブログに感想を書くときにすっごく面倒くさいので、積極的に読んでないんですよね……。
他にも読みたい本があるならそっちを読もうという感じ。
今回は「長野まゆみさんの本を読もう!」となっていたのと、長野まゆみさんの本の中でもBL系の本が読みたかったので、読んだことがない左近の桜をチョイスしました。

えっと……、めっちゃ、長野まゆみさんらしい?

読んでいる時はあまり気にならなかったけど、読み終わって感想を書こうと読み返してみて気づく、「あれ? この本の内容……、結構ヤバいんでは?」という印象。

主人公の桜蔵は死者の魂を拾ってしまう得意体質で、おかげで一年中死者の魂絡みの出来事に遭遇する。
ただ遭遇するだけならオカルト小説か、幽霊と人間の触れあいですむんだけど、遭遇すると必ずキスされたり、布団に誘われたり、下手しなくても一夜を共にしたり、目を覚ましたら裸になっていたり……という事態に遭遇する。

BL小説においてエロはお約束ではあるけど、酷いエンカウント率。
しかも本人にはかわいい彼女がいるし、男に興味がある雰囲気もない。
なのに死者の魂(男)を拾ってはエロい事をされる主人公、え、これ大丈夫か?

いまのご時世でこんなことが起ころうものなら、真っ先にコンプラ警察に焼け野原にされてそうな印象があるんですが……、思えばこの雰囲気知ってる、長野まゆみさんの別の作品である「レモンタルト」も似たような感じだった。
長野まゆみさん特有の“色気はあるけどドロドロしていない、意外とさっぱりとした艶めいた文章”のおかげなんですよね。
性的表現ががっつりあるのに、何故かさらっと読める。
でも、後々考えてみると「えげつないな?!」となる。
レモンタルトのほうは、「なんか昭和のモラハラなんて言葉がなかった時代の雰囲気だなぁー」と思いながら読んでいたんだけど、こっちは「いやいや、主人公襲われすぎだろ?!」となるぐらいに襲われてる。

レモンタルトの主人公はまあ、同性愛者なので、男同士のエロがあってもそこまで気にならなかったんだけど。
こっちの本の主人公は、一応建前上は異性愛者だからな……。なのに毎回男に襲われてるからな……。

この不遇さをリアルに想像すると結構ヤバイのに、なぜか不思議と感じさせないのがすごい。

主人公が意外とへこたれない性格なのが救い。
というか、主人公がへこたれるタイプだったらこの話、すぐに詰んでるような気がする。

うん、まあ……。こういうの、駄目っていう人がいるのも分かる。
文章の巧みさで気づきにくいけど、エロいし。主人公は未成年だし、まあ、アカンってなる人がいてもおかしくはない。
でも、アカンってなる人がいる一方で、こういう話を“物語”の中で楽しめるのも、小説の醍醐味だと思うんですよね……。

というわけで、「左近の桜/長野 まゆみ」の感想でした。
全4巻あるうちの1巻を読み終わったばかりなので、今後どういう展開になるのか分からないんですよねぇー。
このまま主人公が死者の魂を拾っていく巻き込まれ主人公として生きていくのか、あるいはもっと違う方向性の話になるのか。
1巻を読んだだけだと想像がつかないんですが、どうなるんだろうか。

それでは、次の一冊でまた!

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