間違いなく表紙買いした本でした……。
シャーロック・ホームズと親友のワトソンが結婚して子どもを作り、その後何代にも続いて現在まで子孫がいて、その子孫たちが出会った(本当は偶然的に出会ったわけじゃなくて色々画策があるわけですが)ことをきっかけに事件が起こる! という話で、今回は上下巻の上巻です。
二時間ドラマでいうところの事件が立て続けに起こって被害者が出て、証拠がちらほらではじめて……というところで、え。まだ犯人登場してる? 名前出てる?? 的な感じになってます。
ただ上巻なのでまだ出てきてない情報があるかもしれないし、ないかもしれないし……。いろいろもやっとするのは、まあミステリーで上下巻分かれてたら当然だよなって感じですね。
原典を知らない人でも読みやすい……かも。
実はシャーロックホームズの原作はほとんど読んだことがないんですが。
シャーロックホームズをテーマにしてる本で個人的に困っているのが、「原典を読んだ方が楽しめるのか? 原典を読んでいないと分からないネタが出てくるのか?」という点なんです。
当たり前ですけど、シャーロックホームズをテーマにしてる本って前提で「シャーロックの本は全部読んで内容も把握してるよな? それ、当たり前だから!」というテイストが多くて読みにくいのも多いんですが……。
その点で言うと、今回のシャーロット・ホームズは親切でした。
シャーロット・ホームズってタイトルだし、もう全面的に「シャーロックホームズを読んでない奴はアウト!」ぐらいの勢いで来るのかな? と思ってびくびくしていたんですが、原典が絡むところにはきちんとその説明が書いています。
「まだらの紐」とかタイトルは聞いたことあるけど内容はうろ覚え……とかでも、こういう話と説明してくれるので、シャーロック・ホームズ初心者で、でも最近のシャーロックホームズ人気に押されて「なんとなく関連本を読んでみたい。あ、子の表紙かわいいなぁ。ちょっと読んでみたい」って私にはぴったりでした。
……そう考えると、この完全にラノベチックな表紙絵ってかなり中身の内容にあったイラストなんですよね……。
その分、シャーロックホームズ張りの強みを作風に求めてると肩透かしを食らうんじゃないかなと思います。
まだまだ相棒になってないふたりの初々しさよ
個人的にシャーロックホームズとワトソンの関係は「切っても切れない友情!」だと思うんですが、今回のシャーロットとワトソンの関係はこの話で出会ってすぐなので、まだ強固なものじゃありません。
これから確かな友情を結んでいく可能性はあるけど、お互いにまだまだ高校生! というのがかわいい。
ホームズ一族とワトソン一族だから大丈夫だろ? と思う反面、まだシャーロットという人物を信じ切れていないワトソンの初々しさもあって(そりゃホームズの血を引くってだけで人を信用出来たら凄い)、それでもシャーロットについていくあたりがなかなか見てて面白いです。
解決編は下巻にて!
上下巻がある時点でお察し案件なんですけど、解決編は下巻になります。
つまり上巻は前座。ひたすらワトスンとシャーロットが事件に巻き込まれて、それを解決しつつも完全な解決にまでは至っていなくて、それは下巻のお楽しみ!! という事になってます。
ちなみにシャーロットはホームズ一族の中ではまだマシなほうらしく。
作中に出てくるシャーロットの様々な奇行を見てると、「え。これでまだなの?!」とびっくりするんですが、今後シャーロット以外のホームズ一族が出てくるのかなぁと思うと楽しみなシリーズです。