Twitterでの「ピカチュウの声が西島秀俊さんだって!」にまんまとつられて見に行って来ました。
普段は「洋画は字幕で見るのが基本」だと思ってるんですけど……、西島さん好きだったので。ごめんなさい、西島さんが演じるピカチュウが見たいがために見に行った! といっても過言ではない状態で見に行って来ました。
ネタバレ注意!!
全体的な感想
ピカチュウを愛でる映画……、ってことで間違いないと思います。
もしくはピカチュウのかわいらしい外見の中にあるおっさん味のギャップを愛するギャップ萌えのための映画ともいえそう。……、いやピカチュウがかわいかった。
あとは、「名探偵ピカチュウ」だけど探偵要素なし。
主人公のティムの父親の職業が探偵だからという理由で「名探偵」なんですけど、これが例えば警察官でも同じ話が作れるだろうし、キャスターとか事件を追いかけられる立場ならいけそうです。
なので見ながら頭を使って推理する要素はなし。
そしてポケモンがたくさん……。
名探偵ピカチュウを見に行っておいてなんですが、私自身は初期のポケモンしか知らないんですけど、それでも分かるポケモンが多かったです。多分、ポケモンに詳しい人が見に行ったらもっと面白い映画じゃないかな?(いろんなところに本当にさりげなく、ポケモンが登場してくるので)
作品考察
テーマは「親子の絆」!
ポケモンの映画ってテーマがはっきりしている(分かりやすい)のが特徴だと思ってるんですけど、今回の映画も洋画だけどその流れを汲んでましたね……。
テーマは「親子の絆」。
ピカチュウが日本語を喋る!(大谷育江ボイスじゃないぞ!!)な点で衝撃的だったんですけど、なぜピカチュウの声がティムだけに聞こえるのか? っていうのを「それが親子の絆だから」できれいにまとまってる。
見終わった時は「うん。まあ……、親子の絆がテーマなのは分かる。でも、それにしてはあんまり印象に残ってない気がするんだけど……」と思っていたんですけど。
- ハリーがティムと一緒に暮らそうと思って用意した部屋は子ども部屋で、ずっとそのままになってる。(しかも埃が積もってないし綺麗だから、定期的に掃除していた)
- ティムを呼ぼうとした手紙
- ミューツーがハリーに対して「息子がいるな」的な事をいう。事故の直後にすぐに脳裏に浮かぶほど大事な存在だった。
- もしかすると、ハリーが相棒にピカチュウを選んだ理由ってティムがピカチュウのことを好きだったからでは??(子ども部屋のベッドのデザイン)
めっちゃハリー、ティムのこと大好きやん……。
振り返ってみると、「あ。あのシーンもそうか」的にいろんなところに伏線がありました。
台詞的にはヨシノ警部の「ハリーはティムの事を大事に思っていた」ぐらいしかないんですけど、あちこちに不器用ながらも息子を愛してる父親が見え隠れしてたんですね……。
ティムも最初はハリーのことを遠い存在だと思っていたけど、だんだんハリーの真意が分かってくるわけで。
最後に和解して二人並んで歩いていく様子は、これから一緒に暮らし始めるんだろうなぁという温かい気持ちになります。(子どもの頃にハリーがティムを呼ぼうとした時はティムが拒否した)
一方で同じ「親子」という立ち位置なんだけど、ラスボスの会長と息子は傍にいるけど分かりあえない。最終的に会長は息子が障害になると判断して簀巻きにして閉じ込めるし、ハリーとティムが一緒に歩き出すのは正反対に、会長は逮捕、息子はそれを見送るという立場になってしまう。
遠く離れていたけど最後には分かりあえた親子(ハリーとティム)と、近くにいたけど最後まで分かりあうことができずにいた親子(会長と息子)。
ティムにハリーの魂が入ったピカチュウの声が聞けたのは、なんだかんだでティムもハリーのことが好きだったからだと思ってるんですけど、この設定、もし会長と息子が似たような状況になったら息子に会長の声が聞こえたのか? とかめっちゃ気になってます……。
結局、裏で糸を操っていたのは会長ってことでOK?
で。個人的に一番気になっているのが、「一番の悪者は会長ってことでOKでしょうか?」ですね。
今回の映画、推理要素はゼロだと思うんですけど。
「全部息子がやってたんだ!」的な息子悪人説から、後半で一気に「実は悪いのは会長です!」みたいになるんで、「え。一番悪いのは会長ですよね? え、息子も結局悪いことしてたの? え、どっち?」ってなってます。
話の中でいい感じにティムたちを妨害したりミューツーを捕縛したりしたのが、メタモンが変身した息子だとして。
ティムに偽装した画像を見せて父親が生きていると気づかせて探しに行かせたりしたのは、ミューツーがピカチュウに「息子と一緒に来い」と言ってたからで、やみくもに探すよりもティムとピカチュウを泳がせたほうがミューツーを早く捕縛できると考えたから、ってことでいいのかな……?
そう考えると、同じデータを持っているはずの警察がティムにそのことを教えなかったのか? が気になってくるんですけど……。
記憶を失っているピカチュウが「警察が信用できるか分からない」って言ってたから、ハリーの情報やティムの動向を把握するために警察から、ハリーの情報が漏れないようにしたのかな。
とりあえず劇中で「悪いのは息子!」となってるあたりは、全部会長の仕業だと思ってるんですけど。
……まあなんとなく、「このあたりの推理は作品のスパイスだからあんまり突っ込まないで!」的なニュアンスを感じてたりします。
まとめ
- ピカチュウがかわいかった!!
- テーマは親子の絆。テーマがしっかりしてるのは今まで通りで安心。
- 「名探偵ピカチュウ」だけどミステリーじゃありません。この点注意。
とにかくピカチュウ……、かわいかったです……。ピカチュウが好きで、西島さんも好きな人(で。親子の絆とか家族愛が好きな人!)にオススメの映画です。