諸口さんの話はスコーピオンから追いかけているんですが、たまぁに順応できないレベルでのグロが来るので「読めるグロの話だけを買う」っていうルールが自分の中で無意識に出来ています。
そのルールと個人的に「購入するのは文庫本オンリー」という制約を自分に課していることもあって、なかなか諸口さんの新刊を読む機会に恵まれなかったわけですが、久し振りに常世ノ国ノ天照を購入。
ちょっと他の本に浮気したりもしてたので遅れましたが、無事に読了しました。
状況は逆ハーなのに全く逆ハーにならないこの人の世界観グッジョブ。
やっぱりえぐいなぁ
多分世の中は「登場人物の中で回想をのぞいて出てくる女性が主人公ただ一人」「他は全部男性」「世界観の設定上、女性は命を狙われる立場にいて、その女性を守ろうとする男性(複数)もたくさんいる」的な3つの設定があると、「……乙女げー??」と首をかしげたくなると思うんですが、そのあたりは諸口さん。見事にグロでホラーで、乙女げー要素皆無でした。
あとがきにも書いてありましたけど、強いヒロイングッジョブです。
うん。まあ、この人の本を買おうとした時点で乙女げー要素を期待する人は一人もいないと思うから問題ないとも思う。でもここまで乙女げー要素をちりばめながら乙女げー要素がない本もすごい。
そして「命を狙われる女性の末路(主人公がこの世界にやってくる前にやってきていた女性たちの辿った残酷な運命)」とか、そういうのをさらりと突っ込んでくるのはやっぱり諸口さんだと思う。
すごく気になってるんですけど、時計屋って……。
というか時計屋と一緒に最後出てきた蜂の大群ってもしかして……?? あの世界時計と針の夢の主人公達――、なんでしょうか?
実は物凄くおぼろげで、確認しようにも世界時計と針の夢の本が見つからなくて(読んだ記憶はあるから本を片付ける時に一緒に片付けてしまったのだと思うんですが)謎のままなんですが、気になってます。
クトゥルフがところどころに入ってるのでクトゥルフファンは読んでて楽しい
諸口さんがクトゥルフ神話を知っているというのは諸口さんのサイトに掲載されている作品を見ていて知っていた事なんですが、今回は終盤で重要な役どころとしてクトゥルフ神話っぽいのが出てくるわけでして。
クトゥルフ神話ファンとしてはかなりびっくりしたけど嬉しい。
と言いますか、この常夜ノ国ノ天照の話自体がクトゥルフ神話と相性がいい話だと思うので、この話を下地にして誰かTRPGのシナリオを作ってくれないかなと真面目に思いました。
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