ところで。
どこにあるかも分からない薄ぼんやりとした真相がゆっくりと暴かれていく小説は好きですか?
もうめっちゃ好き!! ありがとう!! 残穢!!!
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というわけで、残穢です。
小野不由美さんの残穢は知ってたし、怖い話だともしってたし、一時Twitterで「引っ越しした友達に残穢をプレゼントしたら縁切りされた」というツイートもみてたので、「そ、そんなに怖いの?」と思ってました。
で、もう夏が殺人的に暑かったので涼しくなりたくて、読んだ。
……めっちゃ面白いな?!
ホラー小説ビギナーなので、ホラー小説相手に「面白い」という表現が適切かは分からないんですが。
残穢は面白かった。めっちゃ面白かった。超私好み。
この最初は正体不明のなにかが、ゆっくりと暴かれていく感覚……、ゾクゾクしますね!!
怖い怖くない以前に、「最初は手も足もでないようなよく分からない現象だけが目の前にあって、それを解明していくうちにどんどん謎が暴かれて深みにはまっていくぞくぞく感」に病みつきになる。
おそるおそる読んでいたものがどんどんスピードが速くなり、結果的に2日で読み終わってた。
すごい。読むの遅い方なので、すごい。
やべぇ深みにはまっていく感覚。
「え、あの怪現象とこっちのは違うけど?」「あれ? でもこの建物ができる前はこうなっていて……??」「え、ちょっと待って、繋がってる……??」「えええええ!!」と、ひとつひとつの謎がわかるたびに更新されていく情報と新しい謎にワクワクしつつ、久保さんや主人公のように引き戻れなくなっている感覚。
「あ、これやべぇな」と薄々感づいているのに覗き込みたくなる背徳感。
後戻りできなくなる快感。
めっちゃ面白い。
よくよく考えていくとこの話って「自分がどれだけ注意しても予期せぬ方向から穢れはやってきて、自分の人生をめちゃくちゃにしていく」ので怖いんだけど、怖いより先に来るワクワク感は、これはこの話においては人を殺しにかかるやつだ。
後戻りするチャンスはいくらでもあった。
それこそ最初の「畳をこする音」の時点で、「気持ち悪い」から引っ越ししてお祓いして、我関せずを貫くこともできた。
そうすることで呪い(穢れ)から遠ざかる方法もあったはずなのに……、正体の知れない怖さに惹かれて、最後まで突き進んでしまう。その結果穢れに触れて呪われるのは、好奇心は猫を殺すみたいな人間の性分に思えてくる。
最後の呪いの震源地までたどり着いてしまうものが「このよく分からないものの原因をしりたい」「ここまでしったら後戻りはできない」であり、震源地までいってしまったら、今度は自分自身が呪いのはじまりになってしまう可能性もあるわけで。
はい! 読んでて終始ワクワクし通しで謎が解けていく快感に身震いしていた私はもうあれですね、残穢における呪いのひとつになってもおかしくないですね。
蓋をしたまま、気づかぬふりをしたまま放置したほうがいいものは存在する。
でも人間が好奇心を持っているかぎり、それは誰かに暴かれ、晒され、呪いをまき散らしていくんですよね……。
いやぁー……、面白かった。
怖いけど引き込まれる、そんな薄暗く直視してはいけないけどうっすらと眺めていたくなるような本でした。
面白かったー!!!
ちなみに映画のほうはマジモンで怖いそうなので、見るかどうか迷ってるんですが、いつか縁があったら見たいなぁー……って思います。
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