当サイトではアフィリエイト広告を利用して商品を紹介しています
読書感想小説ピックアップ

【ネタバレ有】赤ずきん、旅の途中で死体と出会う/青柳碧人【初読感想】

この記事は約14分で読めます。

表紙のイラストのインパクトやタイトルから、「なんか面白そうな本があるなぁ」と思っていました。
でも当時はあんまりミステリーに興味がなかったし、青柳さんも知らなかったので青柳さんの本で一番最初に読んだのは怪談刑事だったし)、読む機会がなかなかなく。
今回色々偶然が重なって、「じゃあせっかくだし……、読んでみるか?」と手に取った一冊です。

メルヘンと現実がいい感じに融合した童話ミステリー……、楽しかったです。

ただひとつ、どーしても言いたいのが。

この童話ミステリーを読む作法が、わからん!

いや、まず、「どうやって読めばいいんだろう?」からなんですよ。

この読み方が分からないっていうのが作品でマイナスに働いてるってことは絶対にないし、面白いんですが、純粋に「童話ミステリーって……、どう読めばいいの……?」となる私。
一般的な現代社会を舞台にしたミステリーだったら、とりあえずは自分の常識と照らし合わせながら読んでいけばいいけど、今から読む本の世界はメルヘンなわけで。
魔法使いも妖精も、喋る昆虫さえいる世界なわけで。

気持ちは、夢も魔法もあるんだよ。(ただし、殺人事件は起こる)

というわけで、第一話はかなり怖々と読んでました。
いや、あんまり知らないジャンルの本ってさ……、なんか作法が分からなくて怖いんですよね……。

で、思ったのが。
童話ミステリーってその作品のメルヘン要素を入れつつ、現代常識に照らし合わせて真犯人を推測していくもの、ということらしい。 

そしてまあ、それが面白い。
例えば魔法で作られた物体が魔法が解けて消える時間を利用した証拠隠滅とか。
かと思えば、どんどん腐っていくお菓子の家からの脱出トリックとか。
メルヘン? と思っていたところにいきなり現実社会の一般常識(お菓子をずっと外に放置してたらそりゃあ腐るよね、アリがたかるよねみたいな)で殴ってくるので、「お、おう。言われてみればその通りだわ……」と頷くしかない。
これが一般常識ガン無視のメルヘン要素のみのトリックなら「でもなぁー、このトリックってメルヘンだしなぁ」ってなるんだけど、根底を支えているのはなんやかんやで一般常識と話の中で事前に出てきた情報達なので、分かる人には分かるトリックになってるのがいい。

夢も魔法もあるけど、殺人事件も起これば探偵もいる。
メルヘンと現実の常識の中で右往左往しながら読む童話ミステリーって、面白いよね……。

一般的なミステリー小説に飽きたんです! って言えるほどミステリーを読み慣れているわけではないけど、「ミステリーを読み過ぎて飽きた!」って人にも新鮮な驚きを届けてくれそうで(そしてミステリーを読み慣れていない私みたいな人間にも面白い)、人に勧めやすい一冊かも……?

このページで紹介した本

コメント

タイトルとURLをコピーしました