ザ・逆因習村!
っていったら、野暮ったいですかね。
けど。
面白かったです。
序盤の因習っぽい雰囲気から、中盤の「あれ? もしかして違う?」で雰囲気がかわり、最後のマンションのルール規約が出てきた時点で、ガラッと雰囲気が変わる。
とくに、マンション規約。
あれが出てきた瞬間の、「あ。これ、人間の業の話では?」となるのがいい。
ぬひんさまってなんよ。
いや、出てくるんですけど。
でも、今まで得体の知れなかったぬひんさまが、急に追い出されて、さらに恐ろしいドロドロとしたものが姿を見せる感じ。
面白かったー!!
最初はよくある因習系なのかな? と思ってまして。
そんな雰囲気で話が進んでいくんだけど、次第に「あれ? もしかして、この話で一番やばいのは人間では?」となっていくのがいい。
かといって、「一番怖いのは人間」と簡単にまとめられた話でもない。
人間が怖い。は、よくあるから。
よくあるんで、読んでいても、「あぁ。なるほどー」ってなりますから。
でも、この話はその「あぁー、なるほどー」の先にある、「けど、怖くない?」だったり「うわぁーーー(ドン引き)」まで描いてるのが好き。
昔からの習慣に凝り固まった人間達。
昔ながらの規則。
因習とかくと、イコールで「それって田舎の厄介なルールのことですよね?(都会に住んでいる私達には関係ないよねー)」って思考がちらつくんだけど。
この本でいう因習は、タワマンの規則=因習。
タワマンって富の象徴じゃん?
裕福の象徴じゃん?
でも、本当にそれだけなの?? っていう。
タワマンっていう都会にしかないもののなかで、人が集まってコミュ二ティをつくって、その中で規則が増えていく。
ようは因習って、得体の知れないものが発生源ではなく、人間がそろうことで生まれるものじゃね? っていうのが面白い。
人間が集まって発生する因習が、一番怖い。
その怖さがひしひしと伝わってくる。
個人的には因習系ホラーって、「田舎って怖いよねぇー」が多いので。
そのアンチテーゼっぽい一面があるのが好きです。
序盤に出てきたストーカーだったり、無邪気に人を傷つけようとする子どもだったり。
ルールを守らない相手ならなにをしてもいいと思っている(思っているというよりも、それが正しいと盲進している?)人間達だったり。
そういう人間っていうのは、別に都会にも田舎にも存在していて、だからこそ因習はどこにでも発生する。
それがいい。
ラストの展開も、ここまで「怖いのは人間」って言い続けた結果、すごく納得のいく展開だし。
個人的に兄弟が好きなので、桐村さんとお兄さんのお話が大好きです。
綿原さんの作品は以前にも読んだことあるけど、こっちのほうが好みかな。
面白かったです。
ごちそうさまでした。
というわけで、「ぬひんさまの塔/綿原芹」の感想でした。
それでは、次の一冊でまた!
花邑がオススメする、次の一冊!
⇒最終的に人間が怖い話といえば、こちらもおすすめです。
⇒人間が怖い話、二冊目!
⇒王道といいますか、怪異が怖い作品です!
