当サイトではアフィリエイト広告を利用して商品を紹介しています
読書感想小説

【ネタバレ有】パズルと天気/伊坂幸太郎【初読感想】

この記事は約8分で読めます。

信頼をぶち壊していくスタイルなのかな……??

読み終わった後の沸々とした怒りが多少収まってきたので、ひとまず感想文を書いています。
いや、なにをこんなに怒っているのかといえば、この本の仕様なんですけど。

5つの短編が入ってて、そのうち4つが余所で書かれた作品の再録で、一つだけが完全書き下ろしって……どういう事なんでしょうか……??

しかもそれが一見すると分からないって、どういう了見??

文庫よりも高いハードカバーを読んでいて、ふと読み覚えのある短編に遭遇したときの気持ちを述べよ。
最近ただでさえいろんなものが物価高騰してて、手軽に本も買えないような時代になってるなかで、「伊坂さんの短編集かぁー。伊坂さんの本、面白いもんなぁ」で購入して読み進めていくと、「あれ? この話、読んだことあるぞ?」となった私の気持ちを述べよ。

…………、怒っていいよね??

まあ、百歩譲ってさ?
一番古い再録で20年以上前のものだから、「20年以上前の本を手に入れるのは実質無理。だから新しい本に収録しますね」は、分かる。
今の出版業界じゃ、10年前の本を探すのだって困難だし。
もっというなら今回の4つの再録短編は伊坂さん個人の本に収録されていない単著未収録作品なので、「伊坂さんの短編を一冊の本にまとめたら読みやすいよね」というのも、分かる。

でもそういうのって、分かりやすく明記してこそじゃない?

短編集だけ帯に書かれていたら、書き下ろしだと思わないか?
そう思って嬉々として読み始めた私が悪いのか?
でも大抵の本って、どこかからの再録の場合「××の単行本化」とか「収録」とか書いてるじゃん。

書き下ろしが1つしかないなら、買わないって選択肢も出てくる。
再録が4つあっても、知らないものがあったら買おうってなるし、それこそ一冊にまとめてもらえてありがたいってなる場合もある。

そういうのって、状況がわかってこその判断だよね?
出典を見ないと再録か分からないって時点で不親切だし。
5つの短編のうち4つが再録って時点で再録本だし。

「単著未収録の短編4つと、完全書き下ろし1つ」って帯に書かけば誤解されずにすむのに書かずに“伊坂ワールドの魅力がつまった幸せな短編集”って書いてるところがね……。

なんか、ちょっと嫌な感じがするんだわ。

いや、伊坂さんの話、好きだよ。
大好きだよ。
なにげにめっちゃ好きだった“透明ポーラーベア”を読めたの、嬉しかったよ。
やっぱ伊坂さんの世界観って好きだし、このひとつのテーマを極限まで広げて、一見すると荒唐無稽なものを一つの物語として繋げていくの、すっごく好き。

でもこの“好き”に水を差されたような気分なんだよ、今。
私は伊坂さんの新作が読みたかったんであって、不意打ちで以前に読んだことがある短編を読みたかったわけじゃない。

伊坂さんの短編は好きだけど、こういう方法で読みたくはなかったんだよ。

これから短編集を見かけるたびに「もしかすると読んだことがある作品が収録されてるかもしれないから、きちんと出典を確認しよう」って行動を促すための仕様だというなら引き下がるけど、他の事情があってのこの仕様だっていうなら、私は嫌だな。

というわけで、「パズルと天気/伊坂幸太郎」の感想でした。
いままで今回のようなケースの短編集を読んだことがなかったので、複雑な気分……。
それとも最近はこういう感じの短編集は出回っているのかな。
それはそれで凄く嫌なんだが。

それでは、次の一冊でまた!

このページで紹介した本

コメント

タイトルとURLをコピーしました