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ホラー読書感想小説

【ネタバレ有】読むと死ぬ本/彩藤 アザミ【初読感想】

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出オチ感……!

タイトルはホラーっぽい。
内容も、まあ、ホラーっぽい。

けど、読み進めていくと、物凄く違和感がある。

この「読んでいくと違和感がある」って、作中にも似たような言葉が出てくるんだけど。
なんというか、ホラーのような怖さはあるんだけど、途中から人生観のようなものになって、SFになって、いろいろとっちらかって、終わった印象。

なんというか、あんまりよろしくない。

もうタイトルからしてホラーだし、ようはリングみたいな「見たら死ぬビデオ」ならぬ「読んだら死ぬ本」なんだよなぁーって感じなのですが、ホラーと自己啓発本の両方に足を突っ込んでる感じ。

とりあえず。
ホラーって恐怖を描くもので、その中には“人間が無意識に抱え込んでいる怖いもの”も含まれていると思うんですよ。
で、その最たるものが、“死にたくない”なんだと思う。
じゃあ、この作中に出てくる「読むと死ぬ本」を読んだ場合、主人公は否応なくその“死ぬ”運命にぶちこまれるわけで、その恐怖ってやっぱり“死んでしまう”って恐怖なんですよ。

……それを、作中の方法で克服する(意味深)って、ありなのか……?

真理ではある。
でも、その真理を、この本を読むだろう読者が求めてると……??

作中の結論の是非を考えると、「せやな」と頷くしかないんですが(まあ、間違ったことは言ってない)、でもそれを物語として読みたいかと言われれば、話は別なんだ。

いや、なんか。
それをやってしまったら、全てのホラーが成立しないんでは?? っていう感覚。
作中で主人公が至る境地は、どっちかっていうと生命の誕生とかそっち系に飛躍しそうなSFだし、自己啓発だし、ホラーではないと思うんですよね。

そこまでの境地に至れるなら、貞子も怖くないし、伽椰子も怖くないんですよ(極論)。
でも、それを怖がるのが、ホラーじゃん……??

なんというか、この作家さん自身は以前に「正しい世界の壊しかた:最果ての果ての殺人」を読ませて頂いて面白かったんですけど、今回のは、ホラーとはなんぞや? を考えすぎた結果、袋小路に入ってしまって、最終的にホラーですらなくなった感じなんだろうか……?

というわけで、「読むと死ぬ本/彩藤 アザミ」の感想でした。
面白いかなぁー……。私はそこまで面白くなかったけど。

では、次の一冊で、また!

本格ホラーが読みたい貴方へ、次の一冊を紹介!

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