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読書感想小説

【ネタバレ有】さかさ星/貴志祐介【初読感想】

この記事は約9分で読めます。

どうも。
ホラー小説を読む頻度が増えている矢先に、twitterのほうで「この本面白いよ!」と紹介されているのを何度か見て興味を持った一冊。

最近300ページ前後の本ばかり読んでいたから読めるか……? と不安だったんですが、蓋を開けてみるとなんてことはなかった。

めっちゃ面白かったです!

とにかく目を引くのが、作中に出てくる呪物の多さよ。

……こんなにたくさんの呪物って、どうやったら思いつくんだろう??
呪物の博覧会でもするのかな……?

作者さんの頭の中を覗いてみたい。
ここまでの呪物を用意するの、めっちゃ大変やん……?(それらにちなんだ逸話も必要なわけだし)
色んな呪物がどんどん登場して、「あ、これは多分気にしなくていい奴」と思ったら、実は重要なキーパーソンだったりして、何気ない行動や物が後々やべぇことになってたりするので、600ページ中ずっとワクワクしっぱなし。

誰が敵で誰が味方なのか分からない。
人間が相手じゃない分、とんでもなく得体がしれない。
読む手が止まらないっていうのは、まさしくこういうことをいうんだろうな……。

かと思えば、ヤバイ呪物に匹敵するぐらい主人公のご先祖様がヤバイやつすぎて、呪物のやばさとご先祖さまのやばさが融合して、どんどんとんでもない事になっていく。

主人公のご先祖様のヤバイ人率がとんでもないせいで、正直読み進めながら「この主人公もなんかやべぇことにならないよな……?しないよな??大丈夫だよな……??」と警戒してたんですが、主人公は結構王道系の主人公でしたね……。

もともと私の中での貴志祐介さんって、ゲームブック風小説の人でして。
そのイメージで今回の「さかさ星」も読み始めたからなのか、展開が色々とRPGっぽいなと感じていました。

次々と現れる呪物(謎)たち。
この呪物達の中で、福森家の惨劇に関わったものは少数。
その少数の呪物達を探しているうちに、実は最初から敵だと思われていた呪物が味方だと判明したり、心霊に懐疑的だった主人公が霊力に目覚めたり。
話の中盤あたりで今まで主人公の頼れる先生ポジションだった人がいなくなったり……、展開が結構王道RPG系。

主人公が目覚めた霊視はまじで主人公能力だと思うんだが?

それがめっちゃ読みやすいし、面白い。

600ページをすいすい読めたの、もう神なんですよ。
この本を読むかどうかを「600ページもあるしなぁ」で迷ってる人がいるならお知らせしたい。

600ページなんて些事だよ……。

とんでもなくさくさく読めます(経験者談)。
というか展開が気になりすぎて、栞を挟むタイミングを失います(経験者談)。

先が知りたくて知りたくでウズウズするんですよね……。

読み終わってから振り返ると、結構真相が入り組んでいる(実は敵だと思っていた呪物が味方だったり、敵か味方が分からない呪物が主人公に手を貸してくれていたり、かと思えば謎のままになってることもある)んだけど、読んでいるときは「今はこういう目的で動いてるよ」「今はこういうことになっているよ」と分かりやすいので、ホラー小説ならではの「何が起こっているのかさっぱり分からない」感があまりない。

なので戸惑うことなく、話に没頭できる。

逆に言うとこの小説、呪物がたくさん出てきて霊能力者も出てくるから、ジャンル的にはホラーなんだろうけど、「……ホラーなん?」という気持ちにもなる。怖いし、主人公が失敗すれば一族皆殺しなんだけど、でもその恐怖に立ち向かって勝利を勝ち取るのは王道RPGなんよ……。(そしてそこがいい)

約600ページがね……、壮観だよね……。
600ページの中に散りばめられている伏線の数々を紐解いていく快感は、長編小説だからこその味わいなんだよなぁー。

絶体絶命になりながらどうにか切り抜けていくのは最高。

終盤からはじまるお通夜での、助けが来ない(先生ポジの人から電話でアドバイスは貰えるけど、実際に動くのが主人公以外いない)中で悪戦苦闘して、「これで大丈夫!」と思ったらまだ駄目でって何度も何度も繰り返す様子とか、もう読んでてドキドキした。
ラストまでのあの疾走感、良すぎないか?

最後の決定打がずっと序盤に出てきた話っていうのも、伏線好きとしてはたまらない。

面白かったです。

さかさ星は二部作だと聞いたんだけど、この一冊で十分にお腹いっぱい。
ひとまず事件は解決しているみたいなので、ワクワクしながら次を待っていたい。

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