終盤の大どんでん返しまで、君がこの物語を追いかけることができるか?!
という印象。
とにかく最後の最後で明かされるとんでもない真相が肝で、そこに辿り着くまでの展開は伏線とミスリード。あとは地道な探偵業務。
ラストの真相で、「え。そうだったの?!」となるために用意されたストーリー。
ただ、このラストに行くまでが長い。
過去に強姦事件を起こして示談になった知り合いが結婚することになったものの、過去をほのめかして結婚を中止させようとする脅迫状が届く……という始まり方で、その知り合いを助けるために主人公が探偵を雇う。
その探偵が中学の頃に主人公と色々あった人物で、主人公と探偵のダブル視点で話が進んでいく。
調査パートというか、真相を追いかけるシーンが長い。
ほぼ作品の9割ぐらい。
読みながら、「実際の探偵ってこんな感じなのかな」とか「探偵物語を読んでる気分……?」とかなってたんですが、長い。
ミスリードも入れるとこのぐらいになるのかな? って思うんだけど、ちょっと物足りない。
その調査の末にとんでもない真相にたどりつくんだけど、素直にいうと、もう少し調査パートを減らせたんでは?? ってなってる。
真相パートが本当に終盤に用意されてるので、そこに辿り着くまでの調査パートの長いこと長いこと。そして調査パート自体は多少のストーリー展開はあるものの、大きな盛り上がりはないので、地味。
まあ、でもこうなるよね。
この話の黒幕は意外な人物なので、まずは読者が考える「脅迫状を送りそうな犯人」を潰していく必要があるんだろうし。
ただこの犯人候補を潰していく過程が、地味なんだよ……。
伏線好きとしては、“終わりよければすべてよし。伏線よければ大満足”って言いたいんだけど。
調査パートの長さと盛り上がりの少なさに、疲れてくる部分もあるし。
真相もびっくりではあったけど、そこに至るまでの疲れが吹き飛ぶほどじゃない。
あと率直にいうと探偵役の北見さんがなぁー。
明らかに主人公と対峙していた中学の頃よりも現実路線寄りの探偵になっていたので、「何か路線変更しなくちゃいけない事情があったのかな?! そこら辺も語られるのかな?!」と思ったら、そんなこともなく。
んー……、真相のどんでん返しは面白かったけど、後は地味な展開が続くから、肩透かしを感じる部分が多かった。
というわけで、「花束は毒/織守きょうや」の感想でした。
ちょっと私には合わないミステリー小説でした。
それでは、次の一冊でまた!


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