文庫ってハードカバーよりも早く読めるって言うけど。
あれは、嘘だね!
というわけで、一ヶ月をかけてイクサガミをよみました!
すごい良いタイミングでイクサガミ全巻を入手できたので、「これは……きっと読めっていうお達し!」と思い、読み始めて一ヶ月。
ハードカバーよりも文庫のほうが読みやすいと思い込んでいたんですが、それは内容による。
めっちゃ、濃密。
序盤の愁二郎と双葉が出会うところから、もう全部が濃密。
身も蓋もない言い方をすると、イクサガミって明治を舞台にした武士達のバトルロワイヤル(今時で言うと、デスゲーム?)なので、登場人物達の戦闘シーンは圧巻。
登場するキャラ達の9割は死ぬし(最終巻まで読み進めると、案外愁二郎の身内はみんな生き残るのかな? と夢見がちなことを思ってたんですが、容赦なく死んでいく)、なんだったら「あ。このキャラは生き残りそう」って思ってるキャラさえ序盤であっさりと退場するし、読んでる側で分かるのは、とりあえず愁二郎と双葉は主人公っぽいんで、このふたりは死なないだろうという安心感のみ。
ぶっちゃけこの安心感も途中でぐらついて、「え、まじ? これ、どうなるの?」となるので、全4巻がひたすら楽しい。
でも容赦なく登場人物は死ぬので(死の美学も感じちゃったりするんですけど、でも物語的にあっけないぐらいに死ぬキャラもいる)、登場人物に感情移入すると読んでてしんどい。
特に終盤がね……。
双葉に諸々の影響を受けた面々が、双葉を守るために(というか、このバトルロワイヤルの「蠱毒」に参加するまでに失っていた自身の有り様を守るために)次々と殺されていくのが、そういう話だと分かってても辛い。
でもなぁー……、ここで双葉に悪感情を抱かせないのが作者さん、めっちゃうまいなって思う。
イクサガミって「ひたすら強い奴らの頂上戦争」という側面があって、その中で評価される強さは双葉は持ち合わせていないんですよ。
なのでぶっちゃけ、傍目から見るとめっちゃ足手まとい。
でも一方で、「強さってさ、物理的なものだけじゃないよね? 内面の、人を気遣ったり思いやったりするのも大切な強さだよね?(ただし、この「蠱毒」においてはその強さはいりませんが!)」というのを双葉が持っていて、それが終盤に生かされていく。
ここまでの過程が下手すれば説教くさくなるのに、そうならず。
双葉を疎ましく感じることもなく。
むしろ双葉に影響されていく人達の姿が自然なのがいい。
最終局面で双葉がピンチな時に、助けに入る人達の感情がいいんだよなぁー。
とにかく、全4巻。楽しく読ませていただきました!
というわけで、「イクサガミ/今村翔吾」の感想でした。
それでは、次の一冊でまた!
花邑がオススメする、次の一冊!
⇒戦闘シーンが格好いい一冊です!
⇒政府の陰謀や思惑がポイント! 重厚な歴史イフミステリーです。
⇒人々の思惑を堪能できる、上の一冊と同じ歴史イフミステリ-です。

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