この作者さん、やっぱりグロテスクな表現好きだよなぁー。
作者さんに味があるのだとすると、この北沢陶さんは絶対にグロテスクだと思うんですよ。
私だいすきな「をんごく」では、まあ、ぼちぼちその気配がした。
次の「骨を食む真珠」は、グロテスク描写がすごすぎて、かなり引いた。
で、今回の三作品目。
骨を食む真珠よりは若干マイルドにしつつ、でも耽美かつエロティックなグロテスク描写が拝める作品になっています。
というか、骨を食む真珠のほうはまさしくグロ。
綺麗な描写だけど、生きたまま獲物の血肉をむさぼる描写がありますからねぇー。
それに比べれば、今回の話の、生きたまま自分の身体の延長線上に花が生えるなんて、序の口序の口……。
その花を主人公(男)に懸想する同級生(男)達がむしり取っていって、主人公が血まみれになるのも、まあ、大丈夫大丈夫。
最終的に花が眼球に生えて、眼球ごと引っこ抜くのも様式美、様式美。
……ん? 様式美か?
なんか結構、私も耽美かつグロテスクな北沢ワールドの住人になってきたなぁーとしみじみ思うんですが、をんごくから考えると、随分と遠いところまで来た気がします。
今回の話、あんまり花が生える理由ってなかったような気がする……?
をんごくと真珠は、読んでいて「動機」があったんですが。
今回は、あんまりないよな??
主人公や姉を見世物として成立させるために(その見世物を自分の縄張りにおいておびき寄せられた人間達を生け贄にする目的はあれど)、主人公と姉の花を生やした神様なわけですが。
まあ、その花の由来が神様の縄張りにある花ってぐらいで、花が主人公から生えた理由は、作者さんが主人公から花を引っこ抜きたかったんではないかな……? と、身も蓋もないことを思ってます。
あとは、なんかぞっとする人間描写。
私は知り合いの身体から花が生えていたら、さすがにぞっとすると思うんだけど、主人公の周囲の人(主に主人公に懸想してる連中)は、もう気が狂ったというか、「なんでそんなんむしり取れるの?!」ってレベルでむしり取っていくので、怖い。
人間の狂気。というか、いや、やっぱり狂気かな。
この作者さんのグロテスクは、気持ち悪くならないグロテスクだから、素敵です。
正直、をんごくのミステリーを考えると、今回も「面白くはあるけど、をんごくよりは面白くない」なんですけど。でも、をんごくは面白すぎるからなぁ。
作者さんがここから先もグロと耽美の間を全力で駆け抜けていってほしい。
というわけで、「花檻の園/北沢陶」の感想でした。
それでは、次の一冊でまた!
花邑がオススメする、次の一冊!
⇒この作者さんオススメの一冊!
⇒花をむしるという行為の空気感が好きな人にオススメです。
⇒キャラ同士の掛け合いが好きな人はこの一冊はいかがでしょうか!

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