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【呪術廻戦 懐玉・玉折】第29話「玉折」|降り止まない雨はないけど、ずっと降ったままの方がよかったのかもしれない。

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どうも、梅之です。
29話、小さい伏黒君も出てくるし、すごいワクワクしてたんですが。

なんつうか……、雨の音がトラウマになりそうな29話でした……。

いや呪術廻戦のアニメの好きなところって、「映像と音声でしかできないことをやる」ところなんだけど、今回も思う存分やってくれたなぁ!!! って感じです。

盤星教で聞いた拍手の音。
シャワーの音がその拍手の音に重なって聞こえる瞬間。
見てる側からするとシャワーの音だって分かるんだけど、夏油さんからすれば拍手の音がずっと鳴り止んでないのかもしれないと思わされる瞬間。
女の子が死んだのに笑顔で拍手し続ける人達、鳴り止まない拍手の音。
その拍手の音が雨の音とも重なって、ずっとずっと夏油さんの側をつきまとっていて、それが「非呪術師がいなくなれば呪霊は生まれなくなる」っていう極論を提示されて、鳴り止む。

“雨があがる”って用語は“救い”とも言い換えれるけど、夏油さんの場合は文字通り“雨があがる”=“思い悩んでいたことが吹っ切れる”だったんだなぁ……、と。

あがってはいけない雨があがってしまったのかもしれない。

この拍手(シャワーの音だったり雨の音だったり)の音がずっと聞こえてる世界って、ようするに夏油さんからすれば「非呪術師は守るべき存在なのか? あいつらのためにどれだけの人(呪術師を含め)が死んでいくのか?」って思い悩んでる世界で。
雨が上がってしまった結果、「自分は呪術師を守りたい」ってなったのが……、演出がいい。
この音の演出で、夏油さんの感情がひしひしと伝わってきて、盤星教のシーンで聞いた拍手のシーンがここぞとばかりにトラウマとして何度も蘇ってきてる様が、すごくいい。

呪術廻戦の演出って好きだったけど、今回のでもっと好きになった。
音の演出、よすぎだ。
アニメだからこそできる演出だよね……。

多分夏油さんが思い悩むのをやめない世界があるとすれば、それは「やまない雨はないけど、今傘がほしい」=「思い悩むことは続くけど、誰かに寄り添ってほしい。支えてほしい」ってことだと思う。
その場合の傘は親友である五条先生が側にいることだったり、灰原君だったりしたんだろうけど、夏油さんの心に雨が降りしきっている間ふたりは夏油さんの側にいなくて(灰原君に至っては死んでしまって)、夏油さんはずっと雨に打たれてあの拍手をひとりで聞き続ける事になってしまって。

そんな時に「非呪術師がいなくなったら呪霊もいなくなるよ」って言われたら、その方法に行きたくもなるよね……。
しかもかわいい後輩が「自分にできる事を精一杯やる」みたいなこといって死んじゃったら、自分にできる精一杯の方法で呪霊が生まれない世界を作ろうとするよね……。

……で、そういえばEDでも雨降ってるんですよねぇ……。

この音の演出をするためにEDでも雨を降らしてたのか、スタッフ。どんだけ用意周到なんだよ……。

というわけで、もう音の演出がすっごくいい29話でした。
アニメにするって事は、キャラクターが動いて声を発して音をつけることができるってことだけど、その「アニメだからこそできること」を最大限生かした、いい感じに絶望できる演出がすごくいい……。

来週も楽しみにしています。ごちそう様でした!

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