第一巻目がどっちかというと「お互いに気持ちはあるけど相手に依存したくないしさせたくないので距離を取ります」的な終わり方だったので、そこから始まる第二巻目はどんな展開になるのかな? とワクワクして読んだところ、思わず思ったのがコレ。
第一巻の塩対応はどこ行ったんだ?! ふたりとも!!!
いや正確にいうとトムのほうは第一巻からプロフェットに対して好意を見せていたし(それに対してプロフェットが煙に巻くシーンはあったけど)、トムがずっと押していくんだろうなと思ってたんですが、全然そんなことはなかった。
第二巻の部隊がトムの故郷っていうのも理由の一つかもしれないけど、プロフェットがすごかった。
いやトムが押していくシーンはあるんだけど、プロフェットが想像をはるか上をいくトム至上主義に変わってて、読んでるほうとしては「え? あ、はい? 何があったの?」ってそっちが気になるレベルでした。
ふたりともお互いに過去に葛藤があって、その葛藤が今回の第二巻で「自分のせいで大事な人の人生を滅茶苦茶にしてしまうかもしれない恐怖と事実」だと分かったわけなんですが、第一巻ではその恐怖と事実からトムを守るために距離を置いたプロフェットが第二巻では積極的というか、もう「どれだけトムが好きなんだよ!」と叫びたくなるぐらいに行動を起こすわけで。
というか第二巻でのプロフェットの行動のほとんどが「トムのため」だと思えば、もう読んでる側は「ごちそうさまです。ありがとうございます」としか言えません。
今回の第二巻のサブタイトルが「不在の痕」なんですけど、ドストレートにプロフェットのことを指しているように感じられるのは私だけじゃないはず。
第一巻でトムと距離を置いてそのまま気持ちを風化させられれば(もしくは大事な思い出としてしまっておければ)よかったんだけど、傷痕が悪化していくみたいに不在の痕の深みにはまって最終的にはトムのためにハリケーンが迫るトムの故郷まで行っちゃうんだから相当です。
でもそんな二人だからこそ、第三巻目でどんなふうにまた変化していくのか気になるところ。
第一巻のふたりの(特にプロフェットの)塩対応を読んでいる身としては、第二巻でようやくふたりが互いに互いを大事だと目をそらさずに向き合えた事実に感激しつつ、この二巻目を読めたことに感謝します。……でもうっかり「最新刊から読もう!」と第二巻から読み始めてたら、第一巻の塩対応で風邪ひいてたと思うんですけど、本当、今回の話には愛には考える時間も必要って言葉がよく似合います。
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