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【読了】ハーモニー/伊藤計劃

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虐殺器官が映画化するにあたって伊藤計劃さんの本を読もうとしたわけですが、いろいろあって(ぶっちゃけると女の子が主人公の話はどうも読む気がしなくて)、ハーモニーだけ放置してました。
でも読む機会に恵まれたので読了。

原作と映画だと主人公の雰囲気が全然違っててびっくりしました。

主人公の心情にびっくり

映画の地上波放送のほうが先だったので、主人公のトァンがとにかくミァハ大好き! な雰囲気を映画で感じ取っていたせいか、結構冷静にミァハと対峙して、最期の最期は「ミァハが望む世界をミァハから奪うことで自分の復讐にする」と決めた原作のトァンの心情が映画版とは違っててびっくりしました。

映画版の「ミァハはミァハのままでいて!」と叫んで発砲したトァンとは全然違いますよ。

映画版だとキアンの死はあくまでも通過点(トァンがさほど重要視してない)感じがしたんですが、原作だとキアンのことを友達だって言ってますしね……。

原作読んで知ったけど、ハーモニーって虐殺器官の後の話なのね。

映画版でも一応語られていた<大災厄>ですが、小説版だときっちり虐殺器官の後の話だと分かる描写があったので、時代背景的にはハーモニーは虐殺器官の後らしいです。

こういう「実はAとBは繋がっていた」系の話って大好物なので、かなりわくわくしてました。

ただそうなると伊藤計劃さんの話の中の人類って本当に大変な歩みをしてるんですね。

虐殺器官ではジョン・ポールから虐殺の文法を受け取ったクラヴィスが英語圏で虐殺の文法を振りまくし、そのせいで様々な悲劇が起こった後に「人類を守る」という名目のもとで徹底した健康管理社会なったのがハーモニー。しかもハーモニーでは「人類の生存に意志は不要」となって、人類から意志がなくなってしまうわけでして。

この経緯を教科書にすると物凄く濃密なことになりそう。

ハーモニーは読みやすい(比較:虐殺器官)

個人的に虐殺器官は読みにくかった記憶があるんですが、その点でいうとハーモニーは読む機会をもらって、先に読んでいた「探偵太宰治」を読み切ってからすぐに手をつけて読み切ったので、思っていたよりも読みやすい印象でした。

虐殺器官は作品の内容的に人が死ぬシーンや戦闘シーンが多かったけど(そして文字がぎゅっと凝縮されているような)、ハーモニーにはそういったシーンが比較的少なかったからでしょうか。

 

 

虐殺器官→ハーモニーと続いたので、ハーモニーで意志を喪失した人類が辿り着く場所を読んでみたいなと思ったんですが、伊藤計劃さんは亡くなっているので、この物語もここで終わりなんですね。

そう思うと寂しいですが、同時に作者が亡くなっても本はこの世界に残って、私に読むチャンスを与えてくれたことに感謝したい気持ちです。

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