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ろろるの村滞在記 出版禁止/長江俊和(ネタバレ有)|メモを取りながら読むのが必須の本か……。【感想】

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どうも。

というわけで、「ろろるの村滞在記 出版禁止」の感想です。

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なんというか……、新感覚。
読書において安易に「初心者向け」「玄人向け」みたいな話はしたくない(読みたい本を読めばいいと思うので)んだけど、この本については「長江俊和好き向けってことでは……?」と思う。

いやまあ、作者買いって言葉があるように、ジャンルに関係なく「この作家さんの本は絶対に買う!」っていうのは当たり前にあるんだけど、この本に関しては強くその傾向を感じました。

ようは、この作者さんの作品のテイストを知っていて、それが苦じゃない人向けの本。

本を最初から最後まで読み終わっただけでは分からない謎。
最後の最後で起こるどんでん返しからの、「2回目読むかぁー!」のメンタル。
読んでる側が「これってこういう意味だよね……?」と気づかないとそのままスルーされそうな、回収されない伏線。

私としては、300ページ以上ある小説を読んで、残り数ページになって「あと少しだ!」ってなって気合いを入れたところでどんでん返しが来て、「……もう一回読み直さないと分からない……、だと?」となったのが衝撃的で、ちょっと2回目を読む気になれない作品。

いや、理解力のある人なら1回で内容が理解できるのかな……。私の理解力と読解力が追い付いてないだけかもしれないな……、でもこの話、気になる部分をメモを取りながら読まないと、どんどん訳が分からなくなっていくからな……。しかもあえてそういう書き方をしてるっぽいから、読み終わった後にわざと迷子にさせられたような戸惑いもあるんだよな……。なんというか、複雑な気持ちになる本だわ。

メモを取りながら読むの必須な本と言えば、私の中では小野不由美の残穢があるんですが。
残穢は説明がややこしい(地図とか)ので、メモを取りながら読むと理解が進むって話で、こっちとは性質が違うんだよな……。

というわけで、なんというか、「ろろるの村滞在記」は私と相性が悪い作品でした。

あっちこっちに伏線が張られているし(語り手のひとりがいかにして生け贄になっていったとか。実は語り手がふたりいるけど、最後まで読み進めないと分からないとか)、伏線大好きな私には好みのタイプの話のはずなんだけど、どうしようもなく「1回読んだだけでは分からず、本の終盤で明かされる時系列に沿ってもう一度読み返さないとしっくり来ない作品(もしかするともう一回読み返しても理解できないかもしれない作品)」になっているのが、苦手。

シリーズを通して時系列がバラバラで時系列順に読み直すと新しい発見がある話もあるけど、そっちは“一冊ごとの物語は各自完結している”から、今回みたいに「一冊の中で時系列が逆になっていて、終盤でそれが明かされる」って仕様ではないんだよなぁー。

たぶん、何度も同じ本を読み直すのが苦じゃない人には大丈夫な本なのだと思う。
逆に言うと、同じ本を何度も読み返しながら考察していくのが苦手な私みたいなタイプは、そもそも「二回目以上読む事が必須になっている構成」が苦手なので、相性が悪い。

ここでいう「二回以上読む事が必須になっている構成」っていうのは、読み終わった後に自分から自主的に読み直したくなるようなものではなくて、内容をしっかり把握するには1回では絶対に足りない構成になってる本のことです。

んー。二回目かぁー。二回目は、また今度でいいかな。気が向いた時にでも。
というわけで、では、失礼します。

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