最初は別のシリーズを見つけて「そっちを買おうかなぁ」としていたんですが、そっちがあまりにシリーズが長いこともあって「そっちを買うんだったらまだ2冊目のヘル・オア・ハイウォーターのほうが読みやすいかも?!」と思って購入。
かなり不純な動機で購入した本ですが、面白かったです。
お互いに様々なトラウマを持つプロフェットとトムが互いに惹かれあいながら突き放しながら、それでもお互いに相手の事を大事に思ってるんだよ! 実は全然大事に思ってないんぜ!!! 的な読者を惑わしていく話です。
迷うのはなんていうか、海外BLだからなんですかね……。日本のBLではあまりない展開とか表現とかに(受け攻めが固定されていない。文章が翻訳なので場面展開とかが分かりにくい)「え? どうなってるの? っていうかこのキャラ、今まで名前出てきてたっけ?!」という感じが何度かあってびっくりしました。
日本人作者の本を読み慣れてる人にとっては海外本って少し不親切な文体かもしれませんね……。
でも文体に慣れると内容は海外(特にアメリカ)だからこその舞台設定で楽しめる話なので(プロフェットが元海軍特殊部隊でトムが元FBIって、日本だったら自衛隊と公安ぐらいの立ち位置になりそうだけどいまいちしっくりこないので、やっぱりそのあたりの職業的萌えからくるBLは海外BLだからこそ)、「そっかぁ! 元海外特殊部隊か!!! 元FBIかぁ!!!!」ってなるのは楽しい。そして海外だからこそ銃撃戦があったり、地下の裏ファイトがあったり……、これは偏見かもしれないけど、日本に舞台を据えると「え?」ってなる設定が海外舞台だからこそすっぽりはまって見えるわけでして。
日本BLでは味わえないデンジャラスで危うくて野蛮な雰囲気が漂う作品です。
気になる点と言えば、まだ1巻目で、でもストーリー的にはまだまだ続く!!! 的な要素が盛りだくさん過ぎるので、1巻目は「え? ええ?? これどういうこと?!」っていう内容が多めな点。これはこのままこの話を追いかけていったら謎が解けるんじゃないかなって思ってる。
さりげにキャラクター名が出てくるのも、あんまりキャラクター名が増えていかない日本BLとは違うかも。
そして個人的に物凄く重要だなと思ったのが、BLでリバがある点。
……日本のBLものでリバがある作品ってあんまり知らないんだけど、これも海外ならではなのかな。固定派ではないけど気になる人も多そうです。
コメント