いやぁー!! こういう、オカルトをミステリーとして解決していく話、好きなんだよなぁー!!
ほんのちょっとのオカルトと、がっつりミステリー。
今回の話でいうと、最初はオカルトチックな事件が提示されて、主人公が動き回りながら事件を現実的な思考で解決していく。
主人公の設定が「呪われた一族の最後の生き残り」だから、もうがっつりホラー寄りの小説だと思うじゃん?
それが驚き、収録されている短編小説はどれもホラーをミステリーで解決していく話で、しかもしっかりと解決しているので、むしろホラーの出番がない。
主人公の設定ぐらいしかホラー要素が息をしていない。
……これ、ホラー要素を求めて購入した人、大丈夫か? 暴動起きないか……??
でも面白かったから、大丈夫かな?
新名先生のこれまでの本の中で一番近い本としては、「虚魚」だと思う。
あの本も「呪いは本当にあるのか?(あるのだとしたら呪われて死にたい)」みたいなのが話の中に入っていたので、今回の本に似てるといえば似てるかも。(今回の本は呪いを解明して死にたい、だけど)
私はホラー小説の皮を被ったミステリー小説が大好きなので(最近だと蜘蛛の牢より落つるものがそれかもしれない)、今回の本も大満足でした。面白かったー!!
ただ一つだけ、どうしても言いたいのが。
IT用語、難しくないか……??
大丈夫? コレでつまづく人、いない??
いや、これはもう私がIT関係の本を全く読んでいないし、触れてもいないからだと思うんですが。
今回の本はオカルトとITを掛け合わせた本なので、息を吸うようにIT用語が飛び交うわけですよ。
というか、各章のサブタイからしてIT用語なので、むしろIT用語が主役だとも言える。
で、私はそのIT用語が分からない。
作中で必要な用語に関してはその都度、主人公の先輩である奥田さんや和泉さんが説明してくれるわけですが、それでも「あ。あれ? これってどういうこと……?」っていうのが、ままある。
そして話に置いていかれる。
まあ、用語自体はそこまでしっかり分かってなくてもなんとなく理解できるから、話を読むのに支障はないんだけど……、こう、なんか本を読み飛ばしてる感がするんですよねぇ……。
なのでITに詳しかったらもうちょっと楽しめる……かも?
いやでも、この本を手に取る人の中にどのぐらいITに詳しい人がいるんだろう? って気もするんだよなぁー……。
というわけで、「霊感インテグレーション/新名智」の感想でした。
面白かったです!
個人的には唯一ホラー展開で終わるのかな? と思っていた主人公の一族の話も、最後にミステリーとして解決したのが良かった。
それでは、次の一冊でまた!


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