ずっと前に買ったんですが、そのまま本棚に放り込んで放置してました。
このブログを立ち上げた時に「少しずつでいいから積ん読を減らしていこう!」をテーマに読み始めて、昨日読了です。
短編集だから読みやすいし短編だけど伊坂さんテイストも楽しめる作品
というわけで、ジャイロスコープはこれまでの伊坂さんの短編集を集めた本なので、とにかくさくさく読めるのがポイントです。
伊坂さんの本って思わぬところに伏線があるから、序盤での伏線が後半で明らかになって「え?! そんな伏線あったっけ?!」ってなる場合もあるんですが、短編だと短いストーリーの中で伏線貼りと回収があるので、すいすい進めるのが嬉しいところ。
でも作品そのものは伊坂さんならではの伏線や台詞回しがたくさんあって、読んでて、「あ。これが伏線だったのか!」と思うシーンもたくさんあって楽しかったです。
ちなみに全部で7編入っているんですが、好きだったのは一番最初に入っている「浜田青年ホントスカ」です。
ほとんどの短編が伊坂さんテイストなんですけど、その中でも個人的に一番伊坂さんっぽい伏線と回収の仕方が面白い話でした。最初から伏線が貼られてて、その回収の仕方もあっさりとしつつ、そのあっさり加減が逆に「え?!」とこっちを驚かせるテイストなのが素敵。
でも、6編まで読み終わった後のやってくる「後ろの声がうるさい」(この本のための書き下ろしになってます)は、6編全部読み終わった後だからこそ「あの行動はそういう意味だったのか!」とか「あれはそういう設定?」とか、いろいろ妄想が膨らむ話なので、短編集の最後に入ってることですし、最後に読むことをオススメします。
こう考えると短編自体は全部独立してるけど、最後の「後ろの声がうるさい」で全部が繋がって来るわけでして……。そのあたりの、え。実は全部話が繋がってたの? そんなあほな。的なびっくり感も、伊坂さんテイストならではだと思うんですが。
これから伊坂さんの本を読みたい! でも急に伊坂さんの長編を読むのはハードルが高そうで怖い! という人でも入りやすい本です。(ただ短編集だからこその長編だからできる壮大な伏線はあまりないので、長編の伊坂さんテイストを期待する人はがっかりする本かもしれません)
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