書店でたまたま見つけて、「もしかすると劇場版を見に行くかもしれないしな」的な軽い気持ちで購入。今まで読んできた本と比べるとページ数が少なめだったので一気に読むことが出来ました。
怪獣という脅威にさらされても手を取り合えなかった人類と、そんな人類に手を差し伸べた異星人と、地球の王になったゴジラと怪獣たちの物語
内容的にはもう、まあ人類ってそうだよね! 的な感じでした。
怪獣を目の前にしても覇権争いはするし冷戦も起こす。
小説というよりは、怪獣やゴジラによって地球の長の座を追われ、捕食される側へと回った人類たちの記録を当時の生存者が語るというテイストなので、本格的な小説をイメージして購入すると読みにくいかもしれません。
実際私もちょっと普段読み慣れている文章のテイストとは違ったので最初は苦戦したんですが、読み進めていくうちに「実際に怪獣やゴジラと遭遇しながらも生き残った人間たちがそれでも味わい続ける絶望」みたいなものが伝わってきました。
国籍や性別、年齢問わず、怪獣という脅威を目の当たりにした人類がどんなふうになっていくのかっていうのが面白いです。
映画の予備知識として役立ちそう
この話には一部の人類が大部分の人類を地球に残して宇宙へと逃げのびるまでの話が書いてあるわけですが、そこには人類がそんな手段をとれるまでになった理由である異星人エクシフ・ビルサルドのことも書いてあるので、予備知識としても役立ちそうです。
読んでいると「あれ。これって映画の伏線かな?」と思える描写もいくつかあったので、映画館で確認するのが楽しみ。
というかページ数は薄いけど内容は結構濃いので(人類が怪獣に勝ったり負けたり、ゴジラが出てきた後の悲劇等)、この内容を映画の冒頭で全部放り込むとなると逆に内容が薄くなりそうで心配かも。
映画に直接関係するかというとそうでもないけど、知ってたほうが絶対に面白く映画が見れそうだなぁとは思います。
で、最後まで読み終わった感想
率直に言うと「怪獣映画は日本が原産国みたいな感じだからほとんど日本が襲われて大変なことになるんだけど、このゴジラに関しては日本は最後の最後までそんな被害がないわけでして。怪獣が多数出現するなかで今までの日本の苦労を諸外国が味わっていると思うと、なんていうか「今までとは逆のパターンだよな……」って遠い目になります。
それでも本の年表を見るかぎりだとゴジラと最終決戦をするのは日本なわけでして。日本とゴジラの因縁、ここに極まれり! って感じです。……いや映画が本編なので、人類とゴジラの因縁はまだ終わってないわけですが。
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