いまのところブログ管理人が「ハードカバーで買う本はこれだけ!」と決めているのが、あさのあつこさん著作の「弥勒の月」シリーズなんですが。
今回その弥勒の月シリーズの最新刊が出てたのでさくさくっと購入。読みました!
いやいや、相変わらず面白いです。
折り返し地点?? 的な印象がある第9弾目
第9弾目にして第1弾目に振り返るような感じ。
といいますか、今までゆるゆると新しい登場人物が出てくることはあったけど、今回ほど劇的に登場人物が入れ替わったり、今後遠野屋さんや信次郎に関わってきそうな登場人物が増えたのって初めてでは??
思えば遠野屋さんの奥さんであるおりんさんって、このシリーズの重要な人ではあるけど故人だから回想でしか出てこないわけなんですけど、第9弾目で色々がっちり絡んできましたねし。
実際に絡んできたのはおりんさんにそっくりなおよえなんですけど、でも遠野屋さんが見間違えるぐらいにそっくりなおよえ(しかも言葉で人を惑わせて自殺に追い込んだり人を殺させたりできる技術持ち)が今後どんなふうに話に関わってくるのか楽しみ。
今回で一応撃退可能なのは分かったけど、これからもあの手この手で遠野屋さんに接触してくるのかなぁ……。
そして遠野屋さんに押しかけ奉公にはいったおちやちゃん。
今まで遠野屋さんにはっきりとした恋愛感情的なものを向けてくる登場人物っていなかったから、「おおおお!!」ってなってました。
このシリーズの展開上、遠野屋さんにはおりんさんっという弥勒様がいらっしゃるので、その想いが叶う日はまずないとは思うんですけど。
想いが敗れるのも含めて、今後おちやちゃんがどうなっていくのかも楽しみ。
そういえばおこまちゃんの時も信次郎が遠野屋さんに押し付けた感じだったし、なんだかんだで遠野屋さんの周辺に重要そうな人物が増える時って信次郎が関わってるような?
まあ弥勒の月は遠野屋さんと信次郎と伊佐治さんの話だと思うので、信次郎が関わってくるのも(人に人を押し付けても平然としていられる性格からいっても)当たり前のチョイスかな? とも思いますが。
作品考察
信次郎って遠野屋さんに人を斬らせたいのか、そうじゃないのか
ブログ管理人としてはどうしても、弥勒の月シリーズの最初の「弥勒の月」で、遠野屋さんがおりんさんの仇である源庵を切り殺そうとした時に身をもってそれを防いだ信次郎のイメージが強いので、「信次郎はなんだかんだいいながら遠野屋さんが人をもう斬らないと知っている。だから逆に人を斬るように唆すけど、本当に人を斬るような場面に出くわしたら、止めに入るはず」って思ってるんですけど……。
今回の「鬼を待つ」の終盤でおよえと対峙した遠野屋さんに脇差を放り投げてるのを見ると、信次郎さん、実は本気で遠野屋さんが人を斬る方向で唆してる……?? と気になってるところ。
弥勒の月はシリーズの最初の話だし、続き物として予定されてなかったなら、信次郎のスタンスが変わったのかもしれないけど、どうなんだろ?
遠野屋さんも信次郎を斬ってやってもいいとか言ってたかと思えば、今回では信次郎の目の前で誰かを斬るぐらいなら信次郎を斬るって信次郎自身に言い切って覚悟しとけ的なこと言ってるし。
ってことは結局遠野屋さんが人を斬ることがあった場合、真っ先に斬られるのは信次郎ってことだから、「信次郎は遠野屋さんが人を斬るような場面に出くわしたら止めに入るはず(というか遠野屋さんの言い方だとその前に信次郎が斬られる)」ってことで、結局私の中のイメージの中にある信次郎とそんなにかけ離れてるってわけでもないのかな……??
このふたりの行きつく先がどこなのか、めっちゃ気になります。
まとめ
- 個性あふれる登場人物が増えて楽しい
- 信次郎のスタンスが変わってるようで気になる
- もう信次郎さんと遠野屋さんの辿り着く先ってどうなってるの……??
結論をいうと、「続編早よ」ですね……。
もし信次郎のスタンスが変わっていたとしても、あさのあつこさんなら読者が納得する結末を用意してくれるだろうし。スタンスが変わってないのなら、今の状態の信次郎に対する説明があるだろうし。
早く続きが読みたいです。